2019年10月
調理学実習a(中国料理)
食生活科学科助手M.N.
食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋…。皆さんは、どんな秋をお過ごしですか?
今回は管理栄養士専攻3年生選択必修科目「調理学実習a(中国料理)」をご紹介します。
この実習では中国特有の食材の取り扱い方やそれらを使った料理を実際に作り、総合的な知識や技術を通して、
中国料理の文化を探ることを授業テーマとしています。
実際の現場で活躍されているプロの先生を講師に迎え、実習を通して中国料理を学んでいきます。
第2回目の実習のメニューは以下のとおりです。
【純肉焼売】
蒸した後にもしっかりと形が保たれるよう、焼売を包むのも一苦労でした!
【麻婆豆腐】
3種類の産地や形状の異なる唐辛子を使用して香ばしく仕上げた辣油、
長ネギの青い部分や生姜の皮などをこんがりするまで加熱をして仕上げた葱油
を先生に作っていただき、実習にて使用しました。
仕上げに中国産の花椒を使用して、痺れる辛さの麻婆豆腐に仕上げます。
【正宗杏仁豆腐】
実習では杏の種からミルクを作り、使用しました。
上品な香りとのど越しで、麻婆豆腐で痺れた口の中が癒されます。
学生の学びの一部をご紹介します。
「アンベラを使用して、焼売をきれいに包むのが難しかった」
「普段は捨ててしまう食材(長葱の青い部分や生姜の皮)から香り豊かな葱油が作れるのはとても経済的で、家でも作ってみたいと思った」
「豆腐を崩さずに調理するのが難しかった」
「花椒のしびれる辛さを感じることができた」
「杏仁豆腐はシロップを入れることでもっと甘くなると思ったが、反対にさっぱりとした味わいになったことに驚いた」
などなど???
国や文化の違いによって、食材や包丁の扱い方、盛り付けが異なります。
実習を通して、様々な文化を知り、興味?関心がさらに深まることを期待しています。
さて、次の実習では何を作るのでしょうか? 気になりますね。
調理学実験a
食生活科学科助手M.S.
ようやく暑さも和らぎ、秋晴れの心地よい季節となりました。
後期の授業が始まり1ヶ月が経とうとしています。
今回は、食物科学専攻1年生の必修科目である「調理学実験a」の様子をご紹介します。
この実習では日常の調理でよく用いられる基本的な食品を取り上げ、その調理性を中心に実験を行い、食品の扱い方や調理技術の要点などについて考えます。
また、食品を評価する方法として活用される官能評価の手法を学び、商品開発やフードスペシャリストとして活かせる応用力を身につけます。
この実習は1年生が始めて調理室を使用する授業です。
第1回の授業は、衛生面を保つための身支度や手の洗い方、
調理室の使い方や実験器具の洗い方など基本的なことから始まります。
第2回の授業では、官能評価法を学びます。
甘味、塩味、酸味、苦味、うま味から構成される基本五味の識別テスト、かつお節だし汁の塩分濃度の識別テストを行いました。
基本五味の識別テストは無色透明、無臭の基本五味に水を加えた8つの溶液から、五味がどれかを探ります。
識別できるかできないかの薄い濃度なので、簡単にはわかりません。
官能評価は、周りの意見に左右されないように表情に出すこと、話すことは厳禁です。
そのため、学生の皆さんはとても真剣な表情で官能評価を行っていました。
基本五味すべて当てられたのは42人中3人でした。
学生に感想を聞いてみると???
「思ったより難しかった」
「正解がわかった状態でもう一度飲んでみるとわかる」
「普段の食事でもここまで味を意識したことはなかった」
などさまざまな意見が寄せられました。
官能評価は訓練をすると精度の高い評価ができるようになります。
これからの実験や調理実習を通して、より優れた味の評価ができるようになるのか楽しみですね。
食品学実験b
食生活科学科助手E.N.
日野市の朝は爽やかな空気や光を感じ、木々の色合いも変わってきました。
残暑の中にも少しずつ秋の訪れを感じております。
今回は、管理栄養士専攻2年の選択授業「食品学実験b」についてご紹介します。
この授業では食品の持つ身体に良いとされる成分(機能性成分といいます)とその生理効果や、
食品に含まれる水分量やミネラルの量を分析します。
第1回目の授業は、化学実験を安全に行うために必要な知識についての講義と実験に使うガラス器具の製作、
次回の授業のために簡単な準備実験を行いました。
まず、「化学実験を安全に行うためには、実験に用いる化学薬品(試薬)の性質についての正しい知識を身に付けなければならない」という考えの下、使用する化学薬品の危険性や取り扱い方、実験器具を使用する際に注意する事など実験の基本について、杉山先生(食品分析学研究室)から説明がありました。
次に「キャピラリーの作製」と「食品に含まれる成分の抽出」の2つを行いました。
「キャピラリーの作製」とは、パスツールピペットと呼ばれる透明なガラス管をガスバーナーで熱し、
そこからキャピラリー(毛細管)と呼ばれる細く伸ばしたストロー状のガラス管を作る作業です。
毛細管現象で微量の液体を採取する際に使用します。
ガスバーナーから出る青い炎がガラスを熱していくと赤っぽく変化していますね。
この状態で両方からひっぱると飴のように細く伸びていきます。
ガラスが溶けてきたところですかさず伸ばすのですが、そのタイミングが1番難しいところです。
学生は「ガラスが伸びなかった、もう1回やってみよう」「上手く出来た!新感覚で面白い」と、とても熱心に作製していました。
杉山先生にガラスの細さや長さなどを確認しながら、また何本も失敗を繰り返しながら、キャピラリーを作製する事が出来ました。
続いて、次の授業の実験準備として、普段私たちが口にしている食品の機能性を調べるための成分の抽出を行いました。
今回実験に使用する食品は「赤唐辛子」と「ブラックペッパー」です。
まず赤唐辛子とブラックペッパーを細かくし、それぞれメタノールという液体に漬けて、成分を溶け出させます(これを抽出といいます)。
下の画像はメスシリンダーでメタノールの容積を量っているところです。正確な量り方にもポイントがあります。
液体を量る場合は、メスシリンダーの真横から目盛りを見て量を合わせていきます。
これを三角フラスコに移し、唐辛子50gを入れます。乾燥された唐辛子の50gというのは学生が想像していたよりも多く、少し離しながらでも匂いを嗅ぐと、目がしみるほど強烈な匂いがしたようです。
唐辛子の成分が溶け出し、メタノールが赤くなっていきます。
次回は、メタノールに抽出された成分を使い、食品に含まれる抗酸化性や抗菌性を調べる事になります。
抗酸化性とは物質が酸化するのを防ぐこと、すなわち体内で抗酸化成分が作用すると老化を抑えることが考えられます。
また、抗菌性とは食中毒菌などの活動や増殖をどのくらい抑える事ができるかという事です。
今後の「食品学実験b」では食品に抗酸化性?抗菌性のある成分がどのくらい含まれているのかを実験して解明していきます。
同じようにメタノールで抽出したブラックペッパーも成分が溶け出て、メタノールが黄色く濁ってきました。次回の実験が楽しみですね。
皆さんはどんな食品を調べてみたいですか?大学では様々な実験を行い、食品について学んでいきます。
興味のある食品について面白い実験に挑戦してみてください。
西洋料理実習
食生活科学科助手M.T
爽やかな秋晴れが続く季節となりました。
長かった夏休みも終了し、後期の授業が続々と始まっています。
今回は、食物科学専攻4年生の「西洋料理実習」をご紹介します。
都内各地のホテル、レストランで料理長を務められた長澤美明先生を講師に迎え
経験豊かなプロから技術?知識を学びながら楽しく実習を進めていきます。
4年間実習を行っても、西洋料理では新たに扱う器具も食材も沢山。
先生の最初のデモから、学生は興味深げに聞き入っています。
新たな食材、新たな器具を駆使してやっと完成した料理がこちらです。
【今回のメニュー】
?カナダ産オマール海老のサラダ?シェリー酢風味
?鴨胸肉のロースト?ポワヴェルヴェールソース
?ポテトのガレット
?カマンベールチーズ
?マンゴーフルーツのシャーベット
【学生の感想】
「普段使わない食材?調理法に触れて、とても新鮮な感覚だった」
「生きたオマール海老を調理したことがなかったので、貴重な体験ができた」
「初めてのことばかりなので、今後の実習でもっと手際よく調理が進められるよう頑張りたい」
三ツ星レストランさながらの料理を学ぶことができるのは
実践女子大学の調理実習の大きな特色でもあります。
普段の生活ではなかなか体験することのできないフレンチの世界を、
この実習を通して知ってもらう良い機会になればうれしいです。
皆さん本学に入学した際には、ぜひ履修してみてくださいね?