2018年12月
調理学実験a
食生活科学科助手H.M.
寒さもひとしお身にしみるころとなりました。
今回は食物科学専攻1年の「調理学実験a」を紹介したいと思います。
「調理学実験a」では調理を可視化し、原理を学ぶことを目的としており、ビーカーで炊飯を行ってみたり、調味液やフルーツの酵素でお肉が柔らかくなるのか等、様々な実験を行っています。
今回は小麦粉を使った実験を行いました。
まずは薄力粉と強力粉のグルテンというたんぱく質の含有量の違いを利用し、30回こねた時と30分ねかせた生地で、生地のかたさや両手でひっぱったときの伸びの違いを確認する実験を行いました。
生地を30分ねかせると生地は全体的にしっとりし、とても伸びるようになります。
また薄力粉と強力粉を比べてみると、グルテンを多く含む強力粉のほうがより伸びます。
グルテンは水を加え、こねることで網目構造の形成がされます。またねかせることでより生地の伸びを良くします。
この網目構造の形成や、ねかせることで伸びが良くなることを利用し、ふわふわなパンやこしのある麺を作っているのです。
「調理」とつく実験ですので、食べてみて評価することも必要です。
そこで、手打ちうどんを作りました。
一般的にうどんは中力粉を使用しますが、今回は自分たちで強力粉と薄力粉を1:1でブレンドし、調整しました。
ほぼ全員の学生さんが手打ちうどんを作ったことがなく、悪戦苦闘していましたが、班のメンバーと協力して作っていました。
おいしそうに出来ましたね。
この実験で調理原理を実際見たり、体験したりすることで学生さんたちがより料理好きになってくれたら嬉しいです。
卒業論文発表会(管理栄養士専攻?健康栄養専攻)
食生活科学科助手H.K.
12月2日(日)に管理栄養士専攻と健康栄養専攻の卒論発表会が行われました。
卒業論文は、これまでの学びを活かし、自ら研究計画を立て、その計画に従って調査?研究を行い、それらの結果について的確な考察ができる能力を身につけることを目標としています。発表会は、このように得られた研究成果を先生方や学生にわかりやすく伝えるという、プレゼンテーション能力を磨く機会でもあります。
4年生は授業や課外活動と並行して実験や調査、開発、それらの解析などを行ってきました。
発表会前の研究室では、発表資料の作成、練習にあたり、学生同士でのディスカッションや先生からの指導の場が多くみられました。
発表テーマは、例えば「女子大生の不足栄養素に配慮した間食の提案」「コーヒー飲料中の金属元素及び有害元素の含有量調査」「女性に好まれる底アルコールタイプ清酒製造の試み」など、ほかにはダイエット、食生活、低アレルギー食という、当学科ならではの食に関連する課題を取り上げていました。
【発表会はどうでしたか。】
時間を測って練習していたが、当日は早口になってしまったり、言葉に詰まってしまうこともあったが、時間内に収まってホッとしています。
質疑応答では、想定質問と同様な質問がされたので、回答はできたが、とても緊張しました。
【卒業論文を履修し、得たものは何ですか。】
大学の講義だけでは学べない機械の使い方や、先生や他専攻の学生との人との繋がりが得られました。
ゼミ会でご飯を作ったり、研究室に食べ物がいつもあるので体重も得ました(笑)
下級生も、上級生の発表を見て、研究したいことを考える機会となりました。
「このような研究をしていいんだ」、という発見もあったのではないでしょうか。
発表会後はこれまでの成果をまとめ、大学生活の集大成である卒業論文の仕上げに取り掛かります。
まだまだ気の抜けない日々が続きますが、卒業後に「学生時代はこんな研究をしていました!」と胸を張って、紹介できるような卒業論文が完成することを期待しています。