2018年10月
公衆栄養学実習a
食生活科学科助手A.T.
日野市は爽やかな秋晴れが続いていますが、朝晩はめっきりと冷え込むようになってきました。
今回は管理栄養士専攻必修授業の「公衆栄養学実習a」の授業風景をご紹介いたします。
この実習は地域の健康?栄養上の課題に応じた公衆栄養プログラムの計画?実施?評価の総合的なマネジメントに必要な事項について理解を深めることを目的としています。特に、集団の健康状態および食事?栄養摂取状況に関する情報を収集?分析し、活用するための基本的技術を学びます。
また、管理栄養士として、主に行政の現場(保健所や保健センター等)において健康の維持?増進のための栄養管理?指導を行うのに必要な知識?技能?態度を修得することを目指します。
この日の実習は「公衆栄養アセスメント(社会調査法)」について学びました。
生活習慣、食行動等に関する質問紙調査の設計?集計をします。
まず、実験室にて社会調査法についての講義を受けました。
社会調査法には、実態調査?文献調査があり、実態調査には観察法?質問法があります。今回の実習で学んだのは実態調査の質問法です。一口に「調査する(質問法)」といっても、自由回答形式、固定回答形式に分けられ、固定回答形式にも、単一回答法?複数回答法?順位回答法?一対比較法?評定尺度法と、様々です。
講義を受けた後は、公的統計調査や民間企業のアンケートでどのような質問票が用いられているかを調査します。
最終的に、それらを参考にしながら実際に自分たちでも質問票を作成してみます。
実習ではクラスメイトに調査を行うこととし、3~4人のグループで協力して1つの質問票を作成します。
「何について調査するか」「どのような質問項目にするか」など、学生同士で意見を出し合いながら進めていきます。
作成した質問票は先生に添削していただき、完成版を用いて次回の実習中に調査を実施します。
今回の実習で学生さんが作成した調査票のテーマには、「朝食欠食率」「間食をどれほど摂るか」「ダイエットについて」などがありました。「朝食欠食率」は毎年どこかのグループが作成する恒例のテーマですが、さすが管理栄養士専攻というべきか、朝食を食べないという学生さんは例年ほとんどいません。
次回の調査でどのような結果が出るのか、楽しみですね。
食品学実験a(管理栄養士専攻3年)
食生活科学科助手A.N.
今回は、管理栄養士専攻3年生の必修授業「食品学実験a」についてご紹介します。
後期授業の第1回目は、身近な果物の糖度を計る実験でした。
糖度は「屈折糖度計」を用いて計測します。
糖度計では果物や野菜に含まれる糖の含有量を測定することができます。
今回は試料として市販のリンゴ?オレンジ?ブドウと
濃縮還元100%リンゴシュース?オレンジシュースを使用しました。
果汁やジュースを数滴、糖度計の測定面に滴下し、接眼部からのぞいて、青と白の境界線の目盛を読みます。
水などの糖度が含まれないものは計測値「0」となります。
初めての機器に学生たちは興味津々です。
(余談ですが、糖度計をのぞいたとき、口がぱかっとあいてしまう人がいるので要注意ですよ!)
結果は、以下の通りになりました。
ブドウの糖度が断トツ高い結果となりました。
また、それぞれジュースより果物そのものの方が高い数値です。
学生からはジュースより果物そのものの方が倍近く糖度が高いということに対する驚きや
スーパーで他の果物も測定してみたいという興味の声も上がっていました。
※オレンジやレモンなど酸味をもつ果物でも計測値として糖度が高く出る場合があります。
糖度計の数値が高いから甘いという感覚は必ずしも一致しません。
ここから学生たちは結果に基づいて、どうしてこのような結果が出たかを自分の言葉でまとめる作業(考察)が
あります。
学生たちがどのように考えまとめてくれるのか、今後のレポートがとても楽しみです。
TOKYO2020応援プログラム(スポーツ選手のためのクッキングトレーニング)
食生活科学科助手S.N.
残暑の中にもほのかな秋の気配が感じられる季節となりました。
大学では、長い夏休みも終わり、後期の授業が始まりました。
9月22日に、【実践女子大学 オリンピック?パラリンピック連携事業推進室】が主催する
「実践女子大学 スポーツ選手のためのクッキングトレーニング」が学内で開催されました。
このイベントは「TOKYO2020応援プログラム」として、スポーツ選手の食事法や食材の選択、調理方法について実際に体験しながら学ぶことができる内容になっております。大学ホームページにて参加者を募り、スポーツに関心のある方や調理の仕事をしている一般の方が多く参加されていました。
今回は、全3回編成のプログラムの第2回目ということで、長澤美明先生(元ウラクアオヤマ総料理長)をお招きして
フランス料理の実習を行いました。
最初に、我妻玲先生(東京女子大学)によるスポーツ栄養に関するミニ講義が行われました。
皆さん興味津々に講義を聞いておられました。
引き続き、長澤先生によるフランス料理のデモンストレーションです。
運動する身体の材料となるタンパク質やスタミナ源となる脂質について等、食材や調理法に関する知識も交えながら、本場プロの調理技術を惜しみなく披露してくださいました。
デモンストレーション終了後、参加者の方は各班に分かれて調理実習を行います。
調理に興味がある方、実際に調理の仕事に携わっている方が多かったため、皆さん手際よく調理されていました。
実際に完成したメニューがこちら。
スポーツ選手のための献立ということで、カロリーが多く取れるように考えられたメニューとなっております。総カロリーはなんと約1500kcalにもなるそうです。
最後に本学の奈良先生(食品化学研究室)と加藤先生(病態栄養管理学研究室)に今日のまとめのお話と質疑応答を行っていただきまして、イベントは終了です。
本学では、調理に関する様々なイベントを年間行っております。
是非、本学に入学した際には主催者?参加者側の両方で積極的に携わってみてくださいね。