2016年10月
「臨床栄養学実習a」
食生活科学科助手 R.I.
今回は、管理栄養士専攻2年生で履修する「臨床栄養学実習a」についてご紹介します。
この実習では、適切な栄養管理を行うことを目標に、ヒトに関する臨床実験を通して人体の機能を理解し、疾病の発症機構、疾患時の栄養学的対応の基礎を学び、栄養状態の評価と判定、栄養補給の方法と技術を習得します。
今回の実習では、介護用品を用いた要介護者の給食の方法を理解するために、
①人体模型や断面模型を用いて、ヒトのからだの仕組みを理解する
②実際に病院で要介護者に提供されている栄養剤がどんな味なのかを自分で確かめてみる
の2点を目標に実習を行いました。
人体模型を実際に自分たちで分解し、再度組み立てることによって、ヒトの体の仕組みをよく理解することができます。
食べ物を飲みこんだとき、口からどのような経路を辿っていくのかを、ヒトの断面模型を用いて理解することができます。
飲み込むことが困難な患者さん(嚥下困難者と言います)のために病院で使用される、様々な栄養剤を、実際に自分たちで試飲をして確かめてみます。
飲みやすいように、コーンポタージュ味や、抹茶味など様々な味付けがされています。
栄養剤を試飲した学生たちからは、「どの味も、あまり美味しいものではない」といった感想が多くありました。患者さんたちが口にするものがどのようなものなのかを、実感できたことでしょう。
今回の実習で、傷病者に対する栄養の評価と対応をよく学ぶことができたと思います。
将来、患者さんの気持ちに寄り添える、そんな管理栄養士になってほしいです。
オープンキャンパス(10/23)
食生活科学科助手 H.M.
澄みきった青空が日増しに秋の深まりを感じられるようになってきました。
今年最後のオープンキャンパスが10/23(日)渋谷キャンパスにて開催されました。
食生活科学科の先生方は日野キャンパスでの授業がほとんどですが、渋谷でのオープンキャンパスにも参加し、学科ガイダンスや学科相談を行っています。
学科相談には食生活科学科をより楽しく知っていただくために、各研究室の紹介パネルや、実習授業のレシピファイルなどを展示しており、自由にご覧いただくことができます。
今年度最後のオープンキャンパスは3月26日(日)渋谷キャンパスで行われます。
また、学校見学は随時受け付けておりますので、お気軽に入試センターまでお問い合わせ下さい。
常磐祭のご案内
来月11月12日(土)?13日(日)は日野キャンパスにて学園祭である常磐祭が開催されます。本年度も約70の参加団体が中心となり様々な模擬店?発表?企画?展示を行います。
また、野外ステージでは、各サークルによる踊りや演奏発表が行われ、これまでの練習の成果をご覧いただけます。
お子様からご年配まで、幅広い年代の方々に親しんでいただける内容となっております。
オープンキャンパスとは違った雰囲気の大学を見ることができますので、是非お誘い合わせの上、お越しください。
食品衛生学実験
食生活科学科助手 H.K.
本学では、食生活科学科の3専攻すべてで食品衛生コースが開講されており、食品衛生監視員任用資格及び食品衛生監視者任用資格を取得することができます。
食品衛生監視員とは検疫所や保健所等に勤務し、食品の検査など衛生状態を監視する任務を担う公務員で、食品衛生管理者とは、乳製品や特に衛生的な管理を必要とする食品製造業において設置することが義務付けられている職種です。
任用資格は、特定の職業ないし職位に任用されるための資格のことで、任用資格を取得後、職務に任用?任命されて初めて効力を発揮します。
今回は、食品衛生コースの必修科目である「食品衛生学実験」の様子をご紹介します。
今回の実験では、油脂の酸敗試験を行いました。
食品の化学的変質の中でも油脂の酸敗は食品の劣化だけでなく、食中毒の原因となります。
そこで、検体として市販のポテトチップスを用い、酸敗の指標である酸化と過酸化物価の測定をしました。
検体は、①袋から出して日向に置いておいたもの、②袋をあけて日陰に置いておいたもの、③未開封のものに分け、それぞれ油を抽出しました。
それぞれを秤取します。
色が変化する試薬を入れたら、班で協力して滴定を行います。
結果は、日向に置いておいたものの酸敗がとても進んでいることが分かりました。
他の実験授業でも滴定を行ってきたので、皆さん終点の見極めがとても上達していました。
皆さんの身の回りにある食品も保存方法や摂取量によって身体に大きな影響を与えます。
おいしく、安全に食べるための知識も身に付けていきましょう。
「生化学実験」(管理栄養士専攻2年生)
食生活科学科助手 Y.U.
ようやく暑さも和らぎ、秋晴れの心地よい季節となりました。
今回は管理栄養士専攻2年生の必修科目である「生化学実験」の様子をご紹介します。
この実習では、1年次に座学で学んだ栄養素の構造と機能を、定性実験や定量実験を通じて確認するとともに、栄養素の代謝と調節を行う酵素の性質について理解を深めることを目標としています。
今回の授業では、ビウレット法によるたんぱく質の定量実験を行いました。
試料には実際のウシの血清を用いて、たんぱく質がどのくらい含まれているか調べます。
まず検量線を作成するために、標品のウシ血清由来アルブミンを用いて、濃度を5段階に変えたたんぱく質標準溶液を調整します。
こちらが定量実験に使用するビウレット試薬です。
ブランク(蒸留水のみ)、たんぱく質標準溶液、試料にビウレット試薬を加えて攪拌し、反応させます。
30分経過後、それぞれの試験管に入っている溶液を吸光度計(波長540nm)で吸光度を測定します。
吸光度の測定結果をもとに、たんぱく質標準溶液で検量線を作成し、検量線から試料のたんぱく質量を算出します。
中々理論値を導き出すことができず皆さん苦労していました。
生化学実験では他にも、ニンヒドリンによるアミノ酸の定量実験や卵白アルブミンの分離と定量、酵素実験などを行います。
グループで協力し合って楽しく実験に取り組み、栄養素の機能や酵素の性質についてより理解を深めていってほしいと思います。