認知心理学研究室(作田ゼミ)
<指導教員>作田 由衣子
<発表期間>2021年11月13日、14日
<発表場所>日野常磐祭パネル展示
認知心理学の領域で、顔認知や色知覚、香りの持つ心理的効果など個人ごとの興味関心に基づき研究テーマを決め、調査?実験を通してデータ収集し卒業論文を執筆する。3年次には卒業論文の足掛かりとして事前調査を行い報告書を作成する。
今年度はコロナ禍により合宿が実施できないため、それに代わるものとして学内で3-4年生合同での勉強?交流会を予定している。講師を招聘し、統計?分析についてのレクチャーを受けるとともに、学生自身による勉強の成果を発表する。
News
2021年度
1.研究活動
3年生10名、4年生7名がそれぞれ自分の研究テーマを決めて、実験や調査を行いました。3年生は卒論への足掛かりとして、プレ卒論として成果をまとめました。4年生は卒論を執筆し、2月の卒論発表会で発表を行いました。ここでは研究テーマの一例をご紹介します。
①色に関する研究
色を見るとき専用の蛍光灯(D65)や測色計を使って、人が色をどのようにカテゴリー化しているかについて実験を行いました。同じ色でも、カタカナ名で表記される場合と、和名で表記される場合で、やや異なるカテゴリー化の仕方をしていることがわかりました。
②トリックアートと注意誘導
立体的に見える矢印の画像とメガネ型の視線計測装置を使って、消毒液への視線が誘導されるかどうかを調べました。立体に見えるかどうかで視線パターンに違いは見られませんでしたので、次の実験では条件を変えてさらに検討したいと考えています。
2.英語論文講読発表会(2021/8/30)
3?4年生合同で関心の近い人たちで5つのグループに分かれて英語論文を読み、発表会を行いました。英語の論文を読むのはかなり大変でしたが、グループ内で協力して何とかこなすことができました。実際に読んだ論文は以下の通りです。
?Ayabe-Kanamura, S., Schicker, I., Laska, M., Hudson, R., Distel, H., Kobayakawa, T., & Saito, S. (1998). Differences in perception of everyday odors: a Japanese-German cross-cultural study. Chemical senses, 23(1), 31-38.
?Fiske, S. T., Cuddy, A. J., & Glick, P. (2007). Universal dimensions of social cognition: Warmth and competence. Trends in cognitive sciences, 11(2), 77-83.
?Mattarozzi, K., Colonnello, V., Russo, P. M., & Todorov, A. (2019). Person information facilitates memory for face identity. Psychological research, 83(8), 1817-1824.
?Olson, M. A., & Fazio, R. H. (2001). Implicit attitude formation through classical conditioning. Psychological science, 12(5), 413-417.
?Ramachandran, V. S., & Hirstein, W. (1999). The science of art: A neurological theory of aesthetic experience. Journal of consciousness Studies, 6(6-7), 15-51.
3.プログラミング講習会(2021/11/9)
11月9日に、外部講師(イデアラボ/早稲田大学 北村美穂先生)をお呼びして、心理実験のためのプログラミング講習会を実施しました。PsychoPyという無料のプログラミングソフトウェアを使用して、簡単なプログラムの作り方を教えていただきました。実際に「不織布マスク着用の有無と顔記憶の関連性」を検討するための実験を行うに際し、顔画像を実験参加者に向けて提示する場面などで活用しています。