原田 謙先生
都市を見て/歩いて/考える
原田 謙(HARADA Ken)/人間社会学科
1974年 埼玉県に生まれる
1996年 早稲田大学第一文学部哲学科社会学専修卒業
2001年 東京都立大学大学院都市科学研究科博士課程単位取得退学、博士(都市科学)
[個人ホームページ]http://kenharada.la.coocan.jp/
Q1. 先生の研究分野は何ですか。その研究を始めたきっかけは何ですか
研究分野は、「都市社会学」「社会老年学」「社会調査法」です。
社会学は、「人と人のつながり」について考える学問です。一方、老年学は「エイジング(老い)」について考える学問です。そして、質問紙調査や聞き取り調査などを用いて「都市における社会的ネットワークと幸福感(well-being)」の研究を行っています。こうした研究に興味をもったきっかけは、大学3年の時のゼミ(ライフコース研究)での生活史調査実習です。
Q2. 先生が担当されている授業の中で、学科を決める1年生やゼミを決める2年生におススメの授業は何ですか
「社会学概論」は、社会学を初めて学ぶ1年生対象の入門編になります。さまざまな理論やデータに基づいて、家族の構造と機能、都市化と地域社会の変容、生産?労働のグローバル化などを理解し、社会学的な発想を学びます。
「地域社会学」は、地域をとらえる理論と方法を理解し、都市化?郊外化、インナーシティ問題、世界都市論、地方の衰退と中心街地活性化、市町村合併などの論点を検討し、まちづくりの現状と今後の課題について考えます。
「フィールドワーク論」は、質的調査の方法論に関する「社会調査士」科目です。具体的には、聞き取り調査、参与観察、ドキュメント分析(資料分析)などの方法を、東京という都市を舞台に演習的に学びます。
Q3. 先生のゼミはどのような活動をしていますか。どんな雰囲気ですか
ゼミのテーマは、ニュータウン/団地の再生、中心市街地の活性化、コンテンツ?ツーリズム、歴史的町並み保全、公共空間のリノベーション、アート?プロジェクトなどの「まちづくり」と都市における「ライフスタイル」を考えることです。このテーマに社会学的にアプローチするために必要な技術が「社会調査」です。学生の雰囲気は、まじめにコツコツ頑張っている感じです。
Q4. 先生のゼミでは、どのような卒業論文のテーマがありますか
卒業論文は、3年ゼミで取り組んだ「まちづくり」に関する内容を発展させる学生もいれば、4年生になってから新たな社会学的な問題設定で取り組む学生もいます。最近の卒論タイトルは以下の通りです。
「公民連携のパークマネジメントにおける地域活性化」
「東御市におけるグリーン?ツーリズム発展の可能性」
「有楽町における芸術?アートによる地域活性化」
「青森駅前における地域資源を活用した商店街活性化」
「多文化共生の社会を目指した国際理解教育」など
Q5. 先生の大学時代の楽しかった思い出は何ですか
ちょうど私の世代(=団塊ジュニア世代)は、学生の頃にバンドが流行していました。バンドサークルに入って、私はドラムを担当していました。70年代ロックからソウル、AOR、フュージョンまで何でもコピーしていました。卒業後はドラムをたたいていませんが、今でもかっこいいリズムの音楽が好きです。
Q6. 受験生に人間社会学部に入学したら、どのような学生になってほしいですか
「すぐに役に立つことは、すぐに役立たなくなる」という言葉がありますが、大学選びや、入学後の生活において、「すぐに役に立つ、役に立たない」という基準で物事を考えてほしくありません。大学生活の4年間で、貪欲にいろんなものを見聞きして、自分の「引き出し」を増やしてください。