標葉 靖子先生
「理系」「文系」の枠組みを超えよう!
標葉 靖子(SHINEHA Seiko)/社会デザイン学科
京都大学大学院生命科学研究科博士課程修了。博士(生命科学)。2020年4月より人間社会学科准教授。2024年4月より現職。
2023年4月からは東京大学大学院総合文化研究科?教養学部附属 教養教育高度化機構科学技術コミュニケーション部門客員准教授も兼務。
経歴?研究業績の詳細は researchmap から
参考: 2020年度 ベスト?ティーチング賞(担当科目: ソーシャル?デザイン?プロジェクトB)
Q1. 先生の研究分野は何ですか。その研究を始めたきっかけは何ですか
「科学技術と社会」に関わる異分野協働?共創デザインのあり方について研究しています。近年は、多様な人々との対話?共創をキーワードとしたワークショップ?デザインやシリアスゲーム等のメディアを活用したコミュニケーション?デザイン実践や、科学技術イノベーションプロセスへのジェンダー視点の取り込みに関する調査研究も行っています。
もともと植物の分子生物学で学位(博士号)を取得した、世間一般では「理系」と呼ばれる分野の人間でした。学位取得後に民間企業に就職して新規技術の開発や社会実装に関わる仕事をする中で、「文系」「理系」と枠を超えた異分野協働や共創の楽しさを知るとともに、「科学技術と社会」の関わり方の複雑さや難しさ、またそのインターフェースで活躍できる人やその多様性が不足していることに課題を感じたことが今の研究を始めたきっかけです。
Q2. 先生が担当されている授業の中で、学科を決める1年生やゼミを決める2年生におススメの授業は何ですか
「実践デザインラボ I」(1年生)?「実践デザインラボII」(2年生)がおすすめです。さらに「体験」を生み出す仕掛け?コミュニケーション技法としてのボードゲーム制作に挑戦する「シリアスゲーム?デザイン演習」(2年生)も是非受講してほしい授業です。
Q3. 先生のゼミはどのような活動をしていますか。
標葉ゼミでは、プロジェクト学習や基本文献の講読、メディア分析演習により、コミュニケーション?デザインやメディア?コミュニケーションに関する理解を深め、関連する研究手法やリサーチデザイン技法の習得を目指しています。
Q4. 先生のゼミでは、どのような卒業論文のテーマがありますか
学生それぞれが関心のあるテーマでメディア分析を行う卒業研究もあれば、授業や演習で取り組んだプロジェクトをさらに発展させたコミュニケーション開発(ゲーム/ワークショップデザイン等)に取り組む卒業研究もあります。
Q5. 先生の大学時代の楽しかった思い出は何ですか
大学?大学院と9年間を京都で過ごしましたが、まさに森見登美彦さんの『四畳半神話大系』のような〈日常〉が身近にあった学生時代でした。ただやはり一番熱中して取り組んだのは大学院での研究活動です。当時は分子生物学を専門としていたため、実験室で日々実験や議論に明け暮れていました。今思うと、起きている時間や脳のリソースの殆どを研究のために使うことのできた、とても貴重な期間でした。
Q6. 受験生に人間社会学部に入学したら、どのような学生になってほしいですか
「理系」「文系」といった既存の枠組みに囚われることなく、広く社会に関心を持って自ら学び続けていくことのできる学生になって欲しいと思います。