粟津 俊二先生
いろいろ試しにやってみましょう。
粟津 俊二(AWAZU Shunji)/人間社会学科
財団法人労働科学研究所研究員を経て、2004 年より実践女子大学人間社会学部に勤務。慶応義塾大学文学部心理学専攻を卒業後、京都大学大学院文学研究科心理学専修修了。博士(文学)。専門は認知科学、認知心理学。
[個人ホームページ]https://sites.google.com/view/awazushunji
Q1. 先生の研究分野は何ですか。その研究を始めたきっかけは何ですか
心理学の中でも、認知心理学、認知科学という分野です。大枠の興味は「分かっているけど出来ない」「できるけど、なぜそうするのか理解できない」などの「わかる」と「できる」のギャップです。最近は、人が言葉を理解したり考えたりする仕組み、効果的な学習方法、様々なもののオンライン化やデジタル化などについて研究しています。日常の疑問や困った経験が、研究のきっかけになることがほとんどです。
Q2. 先生が担当されている授業の中で、学科を決める1年生やゼミを決める2年生におススメの授業は何ですか
どちらも2年生科目ですが、知覚?認知心理学と、心理学実験です。知覚?認知心理学は、ヒトが何かを見聞きし、判断し、記憶し、考える仕組みを扱っている科目です。心理学実験は、心理学の考え方と、実験や調査の方法について、実際に体験して理解することを目的とした実習科目です。どちらも様々な心理学の基礎となる分野なので、心理学という学問がどんなものかを知るには、良いと思います。
Q3. 先生のゼミはどのような活動をしていますか。どんな雰囲気ですか
基本は学生が自由にやりたいことをやり、調べたいことを調べていきます。人間のすることなら、大抵扱います。ただ、心や行動について考え、実験や調査をして確かめるというのが心理学の根っこにあるので、何かを調べるときには必ず意見(仮説)と確認する方法(実験?調査)を考えてもらいますし、卒業論文では、実験や調査をやってもらいます。考えるだけでなく、準備する、試しにやってみるということが大事になります。
Q4. 先生のゼミでは、どのような卒業論文のテーマがありますか
その人なりのオリジナルなテーマを決めてもらいます。印象(人の容姿、食物)や推し活(アイドル、アニメ、腐女子)、コンテンツ(アニメ、漫画、小説)に関するものが多いと思います。特徴としては、アンケートやインタビューだけではできないもの、例えば1/100秒以下の判断や記憶、唾液を使ったストレス測定、脈拍や脳活動なども扱うことがあることでしょうか。文系的な興味を理系的な方法で扱うと言っても良いかもしれません。
Q5. 先生の大学時代の楽しかった思い出は何ですか
大学時代は、あまり経験できなさそうなことを色々やろう、としていました。バイトもサークルも色々やりましたので、長く続いたものはありません。今も続いている趣味は、お酒くらいでしょう。飲み会や合宿なども多々やりましたが、面白かったのは、友人と今でいう就活イベントを企画して、企業と大学を巻き込んだことでしょうか。一番熱中したのは卒論で、ムクドリの好きな食べ物を調べる実験という、二度と経験しなさそうなものでした。
Q6. 受験生に人間社会学部に入学したら、どのような学生になってほしいですか
周りの目や自分の不安を気にせず、失敗を恐れず、色々と試しにやってみて下さい。失敗したときの最大の被害を予想して、それが大したことなければ、やってみれば良い。不安だったら、とことん心配して、大丈夫なように準備しておけば良い。