児玉 充先生
実践知(フロネシス)を有した社会人を目指しましょう!
児玉 充(KODAMA Mitsuru)/社会デザイン学科
早稲田大学理工学部電気工学科卒業?同大大学院理工学研究科電気工学専攻修了、博士(工学)(早大)。NTT、NTT東日本およびNTTドコモなどで、主にプロジェクトリーダーとして新商品企画開発や社内ベンチャーの創造に関わる業務に従事してきました。2003年4月より 日本大学商学部?大学院商学研究科教授を経て、2024年4月より実践女子大学人間社会学部社会デザイン学科に着任しました。専門分野は戦略経営とイノベーション、情報マネジメント。プロジェクトリーダーとしての実務経験を反映した教員の研究業績(主に経営学分野の査読付き学術論文や学術書)は、国際的に質的品質保証がなされている学術文献データーベース(Web of ScienceおよびScopus)に100編以上が登録されています。
Q1.先生の研究分野は何ですか。その研究を始めたきっかけは何ですか
ビジネスパーソンとしての実務経験(新商品企画開発や社内ベンチャーの仕事)が研究分野と密接に関係していたからです。理論と実践をブリッジする学術研究の仕事に興味をもちました。現場での実践経験を反映した以下のような学術書を海外の主要な学術出版社から数多く出版してきました。
振り返ればNTTで管理職に昇格以降、インターネットと携帯電話の技術革新とともに職務に没頭してきました。また、インターネットと携帯電話の市場がここまでグローバルに成長するとは全く想定外であり、私の転職(民間企業から大学、しかも、理工系の技術者から経営学の研究者としての転換)も人生における「想定外のターニングポイント」となりました。
Q2.先生が担当されている授業の中で、学科を決める1年生やゼミを決める2年生におススメの授業は何ですか
イノベーションを実現する要素は、「起業家精神」と「リーダーシップ」に本質があります。イノベーターを志向する皆さんには、「アントレプレナーシップ論」と「リーダーシップ開発a」、「リーダーシップ開発b」の履修をお勧めします。
Q3.先生のゼミはどのような活動をしていますか。どんな雰囲気ですか
2026年度から担当予定です。「イノベーションと戦略経営」のゼミでは、マーケティングや技術の知識のみでなく、経営戦略,組織戦略,情報戦略など多岐におよぶ知識が必要となります。そこで本ゼミナールでは専門書の講読やプレゼンテーションを通してコミュニケーション能力だけでなくロジ力ルシンキング(論理的思考)やクリエイティビティ(創造力)を養い,個々人が社会に出た後でリーダーシップを発揮できるような人間力と実践力を修得することを目標としています。論理的思考と創造的思考を養うために,課題発見やアイデア創造に焦点を絞り,プレゼンテーションやブレインストーミングを中心に授業を進めます。また「ケースメソッド」や「ライブケース」により実践的経営の文脈に沿ったコンテンツを全員で考え議論していきます。
Q4.先生のゼミでは、どのような卒業論文のテーマがありますか
2026年度から担当予定です。例えば、前任校では卒業論文(これまで約300名程度のゼミの卒業生)のテーマとして、「日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する研究」、「日本企業の企業内ベンチャーに関する研究」、「戦略的イノベーションに関する研究」、などがあります。
Q5.先生の大学時代の楽しかった思い出は何ですか
大学院生時代は海外の学術ジャーナルに論文を投稿し掲載されるまで、徹底的に考え行動し、徹夜で実験を試行錯誤しながら繰り返したことです。米国の権威ある学会誌に掲載された初の論文の喜びは今でも忘れません。
Q6.受験生に人間社会学部に入学したら、どのような学生になってほしいですか
実践知(フロネシス)を有した「知的体育会系」を目指してください。起業家とは自分で事業を起こす人だけを意味するものではありません。起業家精神とは生き方の問題です。生き方の姿勢のことです。外からの他動的な意見や考え、既存の価値観に動かされるのではなく、自分の発想の軸を明確に持って行動できる、自立した人間の姿勢です。既存の価値観を突破し、開拓者のマインドで自分の先見性や発想を新しいビジネスやシステムの改革に生かしていくことが起業家精神です。