材料科学研究室
<指導教員>加藤木 秀章
<活動期間>2018年7月10日~11月15日
<発表場所>常磐祭
本活動ではゼミナール組織内で不要になった平織、綾織、繻子織等の古着を回収?利用し、高分子材料の樹脂と混ぜ合わせ、「持っても熱くなく、美しい組織がみえる」複合材料製プレートをつくる。また、現代の生活環境に必要な「やすらぎ」を得るため、古布を利用したやさしい照明もつくる。古着に品質表示がない場合もあるため、作製にあたり、古布の構造(組織及び密度等)や特性を調べ、混ぜ合わせる樹脂の種類や熱的性質についても学習する。
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2018年度
本研究では、複数の古着を使って布の特徴を調べ、非結晶性の熱硬化性樹脂と古布を交互に塗り重ねる手法(ハンドレイアップ法)により美しい組織がみえる複合材料製プレートを成形した。さらに、きれいな組織柄を有する古布をシェードにしたやさしい照明を作製した。
まず布の組織や母材として使用する熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の種類?特徴について学び、古布の選定も行った。古布を選定する際には繊維?組織の観察を行い、その後も繊維の引張試験も行った。さらに、神奈川大学で4名(教員、助手、3年生2名)が複合材料製プレートの成形研修を受けた。成形研修から得られた知見を研究室内で共有し、今まで使用したことのない実験器具や型、熱硬化性のエポキシ樹脂と硬化剤の扱いに苦戦しながらも、選定した古布の美しい組織柄を活かせるようにゼミ生全員で討論?意見を出し合いながら製作を行った。第62回常磐祭でのブースの中では、作品がきれいにみえるようにも工夫し、実践女子大学で初めて作った古布を利用した複合材料製プレートと照明を展示することができた。
発表当日は学生の方、子供連れのご夫婦の方、ご年配の方,企業関係者など多くの方々が興味を持ち、プレートは布で出来ていると説明すると大変驚かれ、照明は綺麗で古布の良い利用方法との感想?意見を頂いた。今回得られた知見や手法をA4用紙にわかりやすくまとめ、ブースに訪れた方へ布の選定方法や成形工程も説明した。今回の活動を行うことで繊維や樹脂の特徴、プレートの成形手法等について楽しく知識を深めることができ、私たちの研究?製作で今後活かせる、いい経験となり、さらに学生間の連帯感も生じた。