高齢者の低栄養予防?介護予防に関わる活動
<指導教員>辛島 順子
<活動期間>2018年4月1日~2019年2月28日
<発表場所>常磐祭?第1回神奈川県栄養士会実践?研究大会
低栄養予防?介護予防に関する卒業論文の執筆や活動を行う。具体的活動内容は以下の通りである。
?介護老人保健施設利用者を対象としたソフト食のレシピ提案
?口から食べること(経口摂取)を支援する「KTバランスチャート」の妥当性の検証とその使用方法に関する考察
?介護予防教室ならびに料理教室のサポート活動
News
2018年度
「介護老人保健施設におけるソフト食導入の検討」
【目 的】ソフト食の提供はきざみ食やペースト食と違い、見た目を普通食に近づけて食欲を沸きやすくすること、噛み切りやすく、飲み込みやすいことに配慮した調理方法の検討が必要である。そのため、本研究では、介護老人保健施設を対象として、ソフト食のメニューを提案し、食べやすさなどの摂食嚥下に及ぼす影響や調理作業に及ぼす影響について検討することを目的とした。
【方 法】施設の管理栄養士を対象としてインタビュー調査を実施し、その結果から、ソフト食の条件を設定した。ソフト食の条件に基づき、ソフト食のレシピ提案を実施し、レシピの評価をしていただいた。評価の高かったソフト食1品を実際に利用者へ提供し、利用者へインタビュー調査を実施した。
【結果および考察】評価の高かった「かぼちゃの甘辛ごま和え」を、実際に利用者へ提供した。利用者の意見では「噛みやすい。」「飲み込みやすい。」「また食べたい。」が多かった。また、調理担当者からは「盛り付けが1種類になり、配膳車への入れ間違いのミスがなくなる。」などの意見があり、ソフト食が利用者へのメリットだけでなく、調理時の作業性にもメリットがあることを確認することができた。
「KTバランスチャートを使用した栄養状態の評価」
【目 的】介護老人保健施設の入所者の栄養評価方法を検討するため、KTバランスチャートならびにその他5つの評価指標の特徴を明らかにし、使用法について考察する。入所者の栄養状態の維持、改善、口から食べるための支援に繋げていくことを目的とする。
【方 法】調査協力者は、介護老人保健施設Hに入所している5名とした。調査協力者5名のKTバランスチャートの「活動」「栄養」「食物形態」「摂食状況レベル」の項目とその他5つの評価指標を用いて栄養状態を中心とした項目を比較検討した。
【結果および考察】「活動」「栄養」は、評価に用いる指標により、経時的変化の傾向に違いがみられた症例が多く、「食物形態」「摂食状況レベル」は経時的変化の傾向が類似した症例が多くみられた。栄養状態は入所者の活動、食事摂取量等が関与しているため、その点を踏まえて入所者の方々を観察、または他職種との連携を行い評価することが重要である。そのためには、指標の特徴を十分に捉えた上で栄養状態の適切な評価を行うことが、入所者の願いや思いを考慮した栄養ケアの実施に繋げることができると考える。
*「KTバランスチャート」および「KTBC」は、特定非営利法人口から食べる幸せを守る会の登録商標である(商標登録第5947805号、5947806号)
「介護予防教室ならびに料理教室のサポート活動」
?介護予防教室
平成30年8月、9月に日野市内で開催された介護予防教室において、教室で使用する資料の作成ならびに教室当日の参加者のサポートを担当した。
?料理教室
平成30年6月、12月、平成31年2月に日野市内の自治会と連携して開催した料理教室において、メニュー提案ならびに参加者のサポートを担当した。