【JOIN! no.9】人間社会学部×アウモ株式会社「学びの意識を変える産学連携PBL」
パートナー:アウモ株式会社
担当教員:竹内光悦教授、駒谷真美教授、他
参加学生:人間社会学部1年生256名
実施期間:2018年4月
人間社会学部の新入生全員が参加する「新入生セミナー」で、産学連携のPBL(Project-based Learning)を実施。2018年度のパートナー企業であるアウモ株式会社の協力のもと、「渋谷区のインスタ映えスポットを発見し、女子大生が『私も行きたい!』と思うようになるWEB記事コンセプトを提案せよ」というテーマで、話し合いやフィールドワークを行い、チームごとに提案をまとめました。また、上級生がファシリテーターとして参加し、新入生のサポートを行いました。
初めての「正解のない問題」
実践女子大学人間社会学部では、2004年の設立当初から入学直後の新入生に対し、4年間の学びの動機づけと新入生同士の交流を目的として、「新入生セミナー」を実施しています。2017年から近隣の企業と連携したPBL型にセミナーの方式を変更しました。高校までの授業の多くが「正解のある問題」であるのに対し、近い将来、社会人になったときに対峙する問題のほとんどは、「正解のない問題」です。PBLでは、この「正解のない問題」に取り組む姿勢?思考を学ぶことができます。人間社会学部では専門知識を身につけるだけでなく、PBLも含むアクティブな学びを展開しており、これから4年間の学びに意欲的になるよう、この新入生セミナーでの産学連携PBLを通して新入生の意識変容を図っています。
「渋谷」で「女子大生の視点」を発揮する
2018年度の新入生セミナーは、おでかけメディア『aumo』を運営するアウモ株式会社から「渋谷のインスタ映えスポットを女子大生が『私も行きたい!』と思えるようなweb記事にして紹介する」という課題をいただきました。「女子大生」、「インスタ映え」、「渋谷」という本学らしい視点に対して、新入生たちは自分の感覚を最大限に活かし、ファシリテーターとして参加した上級生の力も借りながら、チーム内で協力して課題に取り組みました。
自分なりの「正解」を見つけ出す
『私も行きたい!』と本当に思うのかどうかを机上で考え、話し合うことはもちろん、これからの大学生活を過ごす渋谷を実際に歩いて巡るフィールドワークも行いました。下調べをしてから外に出たり、まずは現場に出たりと、チームによって取り組み方は様々でしたが、その取り組み方にも正解はありません。1日を通して試行錯誤を重ねる中で、自分なりの正解をみつけ、自信を持って発表できる力を身につけることを目指しています。また、アウモ株式会社からは、発表に対するフィードバックをいただき、優秀作品は、実際のwebサイトで記事として掲載されています。
社会の変化に対応できる自主性を
「新入生セミナー終了後にアンケートを実施していますが、ほとんどの学生が自身の成長を感じていました。」と竹内教授。
将来的には、教員がいなくてもセミナーそのものを学生自らデザインできるような形にするべく、学びの進化を構想中。セミナーの連携先企業を学生が見つけたり、運営も学生自身で行ったりすることで、学生同士の「学びの共同体」への進化を目指しています。 竹内教授は、「IoTの普及やAIの発達などに伴い、社会の仕組みや働き方は今後もどんどん変化していきます。そのような中、高等教育は何ができるのかを常に考えています」と語ります。
専門知識を習得するだけでなく、その知識をどう生かしていくのか。「主体的に問題を見つけ、得た知識や技能を、変化し続ける社会の中で汎用的に活用できる力を本学での学びを通じて身につけほしい」と語ります。
ファシリテーター学生Interview
アウモ株式会社とは、どんな関わり方をしましたか?
新入生セミナー実施の事前?事後に丁寧な打ち合わせや会議がありました。新入生をサポートする際のポイントなどを教えてもらうことで、当日の運営もとてもやりやすくなりました。
新入生とは、どんな関わり方をしましたか?また、留意していたのはどんなことですか?
アウモさんが挙げたテーマに沿うように新入生に対してイメージを持ってもらうようにしました。1日という限られた時間の中で、「何分で〇〇を」「何時までに〇〇を」というようにスケジューリングをしました。
まだクラスの子達同士でも打ち解けていないところもあったので、まずはその場に慣れてもらうために、とにかく盛り上げることに徹しました。新入生に対して明るい雰囲気で話しかけて、出来るだけ緊張をほぐすようにしました。
この取り組みを経験してみて、感想はいかがですか?
どうすれば効率よくまとめられるかを考えて、行動することが大変でした。多くの人数をまとめることは難しかったですが、事前に集まって計画を立てていたこともあって、何とかうまくいくことができました。その中で、新入生に話しかける際に、どのような言葉をかけてあげたらワークがやりやすくなるのかが少し分かりました。
また、同時に呼ばれた時に1チームばかりに時間をかけ過ぎないように優先順位を決めて対応することが難しいと感じました。
学校と企業が連携して、何かのプロジェクトを成し遂げた経験は初めてだったので、とても良い経験になりました。新入生をまとめるのは容易ではありませんでしたが、フレッシュなパワーをたくさん吸収できて、私自身も新鮮な気持ちになりました。
これから人間社会学部をめざす後輩、実践女子大学に入学する学生にアピールするとしたら、どんな点をアピールしたいですか?
様々な分野を幅広く学べるのが、この学部のいいところだと思います。ゼミや勉強だけでなく、バイトやサークルなどいろんなことに力を入れている人がほとんどだと思います。何か頑張りたいことがある人は、ぜひこの学部を目指してみてください。
<本件に関する問い合わせ先>
実践女子大学研究推進機構研究推進室
TEL:042-585-8821