【JOIN! no.8】短期大学部日本語コミュニケーション学科×ダイオープリンティング株式会社「女子大生目線での編集?記事制作?フリーマガジン『A-SPORTS』?」
パートナー:ダイオープリンティング株式会社
担当教員:短期大学部日本語コミュニケーション学科
髙瀨真理子教授
参加学生:杉浦明花、後藤朱音、宮地舞、白石千尋、小川優美香
実施期間:2018年4月~6月
女性をターゲットとしたスポーツのフリーマガジンである「A-SPORTS」について、発行元のダイオープリンティング株式会社から学生目線を活かした共同制作の依頼があり、7月発行号は日本語コミュニケーション学科出版編集コースが担当。髙瀨真理子教授のもと、フリーマガジンの2ページの制作を学生が企画から編集、校正まですべて担当しました。
連携の経緯?トレンドを意識した女性目線?
短期大学部日本語コミュニケーション学科出版編集コースは、出版に関わる編集知識を学びながら、原稿校正技術や文章作成能力も身につけられる全国でも稀なコース。その実績と女子大という特性から、「A-SPORTS」の共同制作の依頼があり、企画段階の編集会議から学生が参加しました。学生たちは、渋谷キャンパスという立地と街歩きを楽しむ女性の目線を活かし、起伏のある渋谷を山に見立てた「街ワンダーフォーゲル」をテーマに決定。学生同士での意見交換を繰り返し行い、実際に街に出るなどの取材も重ねながら進行していきました。
出版編集に必要な力は “人の総合力”
「私は仕掛けるだけ」と語る髙瀨教授。2年制である短大のカリキュラムは4年制の大学に比べて凝縮されており、学生は多忙を極めます。その中で、読者の目を意識しながら渋谷を実際に歩き、写真を撮り、どんな記事にするかまとめていく作業は、授業や就職活動など、時間の制限もあり大変なものでした。互いに会うことができない日も多い状況で、学生たちはLINEで連絡を取り合って進めていきました。自らも短大時代に学生が主体となった企画の経験を持つ髙瀨教授は、その様子を振り返って、「のっぴきならない状況になり、やるしかないという意気込みでやる。そこで初めて底力が発揮されるんです。どこの出版社の現場にもそのような状況がつきものです。それを乗り越える人の総合力のようなものが、『仕事』になるのだと思います。」と語ります。
実学に鍛えられ、学生が急成長する
「A-SPORTS」の共同制作は、4月にスタート。1年生は入学したばかり、2年生も企業からの依頼を受けることは初めてでした。それでも、学生たちは受け身の姿勢ではなく、「仕事」として主体的に臨み、企業の方から指導を受けながら、自分たちでクオリティを判断して最終の仕上げまでやり遂げました。学生の感想には「私たちは学生ではなく『実践女子大』として見られている」「前に出ることは苦手だったが、みんなを感じ、表にしっかり立たなくてはと思った」という声があり、仕事という意識、責任感、主体性など、机上の学問だけでは得られない成長がありました。
短大による社会連携のモデルケース
このような社会連携活動は4年制大学での実施が多い中、今回の短大での連携は、時間の制約もより多い状況で実施されました。「ものすごく忙しい中、夢中で走る。短大ってそれでいいと思うんです。自分から動いて何とか成し遂げてしまう、そんな力が身につきます。今だからこそ意味のある、濃い2年間を送ってほしいですね。」と髙瀨教授は言います。今回の連携を通じて、学生にとって、社会人として働いていく上で必要な力を身につけられる貴重な機会となりました。
参加学生Interview
私は今まで前に出ることは苦手で、陰で支える役割が多く、リーダーは初めての体験でした。リーダーの役割に慣れないことが多く、制作中は何度も申し訳なく思いました。ただ、やっていくにつれて、だんだんチームで取り組むことを楽しいと思えるようになっていました。私は企業との連絡を任され、チームの意見や考えを企業の方に伝える立場だったのですが、「みんな」の代表として、責任を持ってやりきることができました。(杉浦明花)
実際の作業が始まってからは、締切を意識して動いたり、相手の求めることを理解したりと、本当に大変でした。写真は、読者が見てどう思うか、看板などNGなものが写っていないか、などの配慮も想像以上に難しいものでした。文章を指摘し合う際、私は厳しいことも言ったので、他のメンバーに怖がられることもありました。でも「大学」として見られるものなので、妥協はせず、あえて厳しいことを言うようにしました。外部の方と関わり、話し合いをすることが大きな学びになりました。(宮地舞)
先生から話を聞いた当初は戸惑いも多く、本当にできるのか?と思いましたが、実際に始まってからは怒涛の日々でした。渋谷の高低差に着目したので、桜坂や西郷山公園を入れたワンダーフォーゲルのコースを検討していましたが、きちんと調べていく中で、それは目黒区だし、コースも渋谷っぽくないね、となり、自分たちで考え直してコースを再設定しました。文献を読んで書くのではなく、企画から考えて作るというのは初めての体験で大変でしたが、自由でやりがいがあると思いました。(後藤朱音)
私は元々、文章や広報に興味があって出版編集コースを選んだのですが、今までの自分は文章を全然書いていなかったんだな、と気づきました。興味があっても自分からは「やりたい」とは言えず、積極性には程遠い性格でしたが、この「A-SPORTS」を作っているときは本当に必死で、もっと考えなきゃ、行動しなきゃと思いました。(白石千尋)
実際のフリーマガジンを作るのは面白そう、と思い参加しましたが、1年生なので、わからないことだらけでした。実際にやってみると、文章でアピールするポイントや視点が違うなと気づきました。自分の今の実力をプロの方に見てもらえたのは良い経験になりましたし、物事に臨むときの積極性や客観性を学ぶことができたと思います。(小川優美香)
<本件に関する問い合わせ先>
実践女子大学研究推進機構研究推進室
TEL:042-585-8821