【JOIN! no.11】現代生活学科×江戸川大学×高校×地域「高大連携まちあるきプログラムによる地域づくり?魅力づくり」
パートナー:江戸川大学、日野市
(協力)日本大学、神奈川県立総合科高校
担当教員:須賀由紀子教授
参加学生:伊東 那奈、和田 泉穂(2018年度)
実施期間:2017年4月~
「高大連携まちあるきプログラム」は、未来の地域づくりを担う人材育成の役割を持つとともに、学びの場を通して「高校-大学-社会」をつなぐ取り組みです。温かい地域の方々のご協力と他大学との連携により、学生は感性や想い?魅力の伝え方や活かし方を学び、地域への「愛着」を知り、これからの地域づくりの要になる「つながり」を体験しました。
未来の「地域づくり」のヒントに
現代生活学科は2014年の設立以来、これからの持続可能な暮らしと社会のあり方を構想し、実践する力を持った人材を育成する学科として進化しています。須賀教授は学生と一緒に「地域」という生活の場をより心豊かに、居心地よくすることを考え、実際に日野市や大学周辺の地域と関わり合って進めてきました。その中で、実践女子大学と日野市の連携が培われてきましたが、本プロジェクトでは、江戸川大学で実施されていた「高大連携プログラム」とジョイントし、他大学連携も含めた学生の学び?体験と共に、「高校-大学-社会」をつなぐ取り組みへと拡大していきました。日野市は「諸力融合」の地域づくりをすすめており、地域の「価値共創」に熱心な自治体です。現代において、地域の課題は多く取り沙汰されていますが、この取り組みはまさに「価値共創」のヒントとなり得る成果となりました。
現場主義から生まれたマップ
「高大連携プログラム」は、大学生が要となって、地域社会と高校生をつなぎ、人づくりにつなげていこうとするものです。高校生の参加は2泊3日のサマーキャンプとなっており、JR豊田駅周辺エリアを巡る「まちあるき」のプログラムを実施しました。この「まちあるき」は、日野市二中地区の市民の地域活動に学生も参画して生まれたもので、エリアは学生が事前に下見をしており、実際に地域に触れて、感じ、「好き」という気持ちを強く抱いています。「まちあるき」は高校生にも同じ「好き」という気持ちを抱いてもらおうと楽しさや好感を持てる工夫を凝らし、市民の方にもご協力いただき、学生の手で企画?実行をしました。そして、高校生が感じたことをまとめたマップ(日野のインスタグラム=ひのスタグラム)を作成して市民の方々へ提言し、若者世代の感じ方や新たな視点で地域の魅力を伝えることに成功しています。
「つながり力」が創る未来
地域における課題には、コミュニティづくりや協力?連携の難しさがひとつの要因となっています。そこに求められるのは、地域が地域でつながり支え合う「地域自立型社会」の構築です。本プロジェクトの重要な点は、そのための人材育成の役割を持っていることです。地域を大事に思う人がさらに、同様に愛着を感じる人を増やし、想いが伝播して気持ちがひとつになってゆく。この起点となるような「人材」が育ち、「つながり」の形が他でも発生すれば、「自ら心豊かな地域を創る」という、真に創造的な地域社会が生まれてゆくことと考えています。また、本プロジェクトは「高校-大学-社会」をつなぐという側面もあります。学生を起点に若者?行政?地域が関わり合う中で生み出される、心をひとつにする「力」は、まさに「社会関係資本の形成」の姿であると言えます。
好きになる?好きになってもらう
学生たちは地域の方々と触れ合う中で、この地域?人を「大好き」と思うようになりました。そのため、「まちあるき」も、高校生に地域を好きになってもらう方法や、感じたことを可視化する方法を学生自ら考え出しています。地域をより良くする活動の原動力は「心」です。そこに学生自身が気づき、「好きになってもらう方法」や「魅力の抽出」を考え、地域の方々へと還元できたことは学生自身にはもちろん、地域の方々にとっても新たな魅力の発見につながったようです。また、学生たちは、本プロジェクトの体験自体をかけがえのないものと捉え、自らの将来へとつなげる意識も芽生えました。
参加学生Interview
伊東 那奈さん
私がこのゼミを選んだのは、2年生のときに取り組んだ地域のパンフレット制作で、地域でふれあい、協力しあう魅力を感じたからでした。3年生でゼミに入り、この「まちあるきプログラム」を主体的に創る側になり、さらに強く「地域に向き合う魅力」を感じるようになりました。まちあるきのエリアである日野市二中地区のみなさんはまるで両親のように優しく受け入れてくださり、この関わりこそがそのまま私の居場所となりました。
今回の「まちあるきプログラム」では高校生が発見した感覚を、どのように市民の方々にお伝えするか等、考えること自体を楽しめました。今年はプログラムを引き継いでくれた3年生を見守りながら、サポート役として関わっていきたいと思っています。
「地域づくり」において一番大切なことは、人とつながること、関わり合うことだと思います。そして、真剣に取り組むほど、地域をより広く深く知ってますます好きになっていきます。私はこのプロジェクトで人と地域への「愛着」を知り、関わりあう中で様々な意見や気持ちを聞いて、視野を広げることができました。今度は私から、地域に愛着を持ってくれる人を増やしたり、関わり合いを作って、「つながり」を創造できる人になっていきたいと思います。
<本件に関する問い合わせ先>
実践女子大学研究推進機構研究推進室
TEL:042-585-8821