【JOIN! no.6】生活環境学科プロダクトデザイン研究室×中日本エクシス株式会社「どうぶつおしりマシュマロ」
パートナー:中日本エクシス株式会社
担当教員:生活環境学科 塚原肇教授
参加学生:小野寺奈々、小俣瑛子、加納優、駒形香奈、柴菜穂子、
添田彩、髙橋美輝、武田紗穂、柳原桃子、山本采
実施期間:2016年10月 ~ 2017年7月
2012年より、塚原肇教授のプロダクトデザイン研究室と中日本エクシス株式会社との間の連携の取り組みが始まりました。2016年の成果として完成した「どうぶつおしりマシュマロ」は、2017年7月から石川町パーキングエリアで販売されています。
連携の経緯
NEXCO中日本(中日本高速道路株式会社)管内のサービスエリア(SA)等を運営する中日本エクシス株式会社と生活環境学科のプロダクトデザイン研究室(塚原肇教授)の連携が始まったのは6年前の2012年です。これまでもゼミ生が横断幕の再利用方法やSAのトイレ清掃システムの提案を行ってきましたが、2016年度はSAで販売するお土産品のお菓子を提案することになりました。ゼミ生10名が5グループに分かれ、異なるジャンルのバラエティに富んだお菓子のお土産を企業に対して提案しました。最終的には動物のおしりに見立てたデザインとコンセプトを生かした「どうぶつおしりマシュマロ」の販売が決定し、2017年7月にSAでの販売が開始されました。
研究室の紹介
プロダクトデザイン研究室では、モノづくり全般を学んでいます。毎年3年次後期のゼミで産学連携事業を行っており、今回の活動のほかにも、商品のパッケージデザインや日野市との連携事業である「ひのプロ」にも取り組んでます。
塚原教授はこれらの取り組みにおいて、学生の考えやアイデアを尊重し、その実現方法について学生と考えながら指導を行っています。
デザインは愛
デザインにおいては、そのプロセスが非常に重要であると塚原教授は言います。モノづくりをする際、①既製品調査?②マッピング?③アイデア出し?④コンセプトの決定?⑤ターゲット層の絞り込み、というプロセスを経て初めてデザインが可能になります。また、相手を説得するためのプレゼンテーションも重要です。例えば、商品のネーミングでも、「インスタ映え」を狙ったパッケージデザインでも、インパクトを与えるようなものでなければ良い提案になりません。試作品を見せる際は、完成度の低いものでは最初から検討の土俵に上がることすらできません。
プロセスをしっかりとらえ、提案までの流れを熱意をもって取り組むことがデザインにおいては最も重要であり、これを塚原教授は「デザインは愛」という言葉として学生たちに伝えています。
「デザイン思考」を身につける
塚原教授は、デザインにはコミュニケーション力も必要である、と言います。産学連携を行う上で重要なのはクライアントと現場を見ること。これらを通して、「物事を解決する手段」としてデザインをとらえる「デザイン思考」を身につけていきます。この考え方はデザイナーだけではなく、様々な分野で応用がきき、営業やバイヤー、販売職になったとしても、職種を問わずデザインのプロセスを利用すると、問題解決に役立てることができるようになります。この一連の流れを経験し、学生が自信をつけて社会に出てほしい、と塚原教授は考えています。
<参加学生インタビュー>
●大変だったこと、気付いたこと、学んだことは何ですか。
実際に商品化されるものを考えていく上で、お菓子の知識とデザインの知識が必要だ、ということが一番の学びでした。例えば、今回のように食品では、食品表示法で決められている表示シールを貼らなければいけないので、それを貼る場所も考えた上でデザインをしなければなりません。また、企業の方へのプレゼンの際には、運搬にかかるコストや並べたときの安定感についても指摘をされました。ただ単純に自分たちの作りたい理想の商品を考えればいいのではなく、 700~1000円のコストで実現可能なものをいかに作っていくか、ということを常に意識して考えていかなければならないというのが難しかったです。
また、商品のアイデアを出す上で「なぜ存在しないのか」ということも含めて考えなければいけないということも学びました。具体的には、男性向けのゼリーが存在しないから作ればいい、ということではなく、そもそも男性にゼリーは売れないから存在しないのでは、という考えに至るまでに少し時間がかかりました。
クライアントの要望を引き出すことの重要性も感じました。今回は、中日本エクシスさんの作りたい商品のイメージをうまく引き出すことができずに苦労しました。要望に沿った商品を提案するためにどうコミュニケーションをとるのか、ということを学びました。
●塚原ゼミはどんなゼミですか?
オンとオフのしっかりしたゼミです。今回のお土産のデザインも、作業はそれぞれのグループでやりましたが、お互いに意見を出し合いながらやっていたので、ゼミのみんなで共同して作ったという感じでした。
また、モノづくりのプロセスを机で勉強するだけでなく、実際に体験できるゼミということも特徴です。先生は、デザインをする上で悩んだ時に質問をすれば、必ず方向性を示してくれます。逆に何も言わずにもくもくと作業を進めると、最後にひっくり返されることもあります(笑)
●お友達や後輩に一言お願いします!
モノづくりのゼミだから尚更ですが、絵を書いたり、カッターで切り出したり、手を動かしておいて損はないなって思いました。器用さは心配ありません。とにかくやってみることが大事なので、もしモノづくりに興味があるなら、自信がなくてもどんどんチャレンジしてみてください!
<本件に関する問い合わせ先>
実践女子大学研究推進機構研究推進室
TEL:042-585-8821