【JOIN! no.10】生活環境学科ファッションビジネス研究室×株式会社小倉メリヤス製造所「カットソープロジェクトを通した『ファッションビジネスの学び』」
パートナー:株式会社小倉メリヤス製造所
担当教員:大川知子准教授
参加学生:秋山京子、越後果歩、大川智凪、押切美月希、
小島優莉子、芹沢優衣、難波美妃、林田操、
原田聖菜、丸山瑞貴、大和瑞季(11人)
実施期間:2017年4月?2017年9月
学生が自分たち「女子大生」をターゲットに、販売を目的としたカットソー製作に挑戦。株式会社小倉メリヤス製造所(以降、小倉メリヤスと略)にご協力いただき、製品化の一連のプロセスを通し、サンプルを製作。小売価格の設定、EC(ネットショップ)でどう販売するかも考えました。
「モノづくり」のリアルを体験
「nuuiee(ヌーイー)」は糸へん業界のプラットホームに、との想いから東京?両国に誕生したシェアファクトリー。生地の仕入れから加工まで、プロ仕様の環境でモノづくりができる場です。この「nuuiee」の取り組みを繊研新聞で目にした大川准教授からお声掛けして、2016年に産学連携が始まり、2017年は実際に「『売れる』カットソーを作る」ことに挑戦。産学連携による本格的な「製品づくり」は、知識だけでは通用しない「モノづくり」や「ファッションビジネス」を体感する場になりました。
ビジネスの現場と「チーム力」を知る
今回は「もう1枚欲しくなる定番の一枚」をテーマに、3チームに分かれ、自分たちのライフスタイルやトレンドに対する感度を活かしながら、それぞれの特色を活かしたコンセプトを立案。このコンセプトをもとにシーチングサンプルを作成し、実際に素材選びや現場のパタンナーと打合せをしながら進めました。
個々の意見を尊重し合いながらも、チームで意見をまとめ、小倉メリヤスの方のアドバイスを受けながら、サンプル製作に必要な仕様書を作成しました。社会ではチームの中で、いかに自分の力を発揮するかというスキルが問われるため、今後社会人になる学生たちにとって、実務に近い貴重な場となり、限られた時間の中で真剣に向き合い、「チーム力」とは何かを知ることができました。
ビジネスではチャンスは1度だけ
ファッションが好きな学生たちにとって、生地選びやパターンメイキングは楽しい反面、思い通りにならない難しさを体験したプロセスでした。そのこだわりは、軽さのある生地で保たれたシルエットや、フリル、ワンポイントポケットなど、カットソーのデザインに表れています。
「ビジネスでは、常にチャンスは1回だけ。その緊張感を知ると、自ずと臨む態度が変わります。この年の後期はルミネ立川にご協力いただいて、20代女性への販促提案も体験しましたが、製品づくりから販促提案を1年間でひと通り経験し、ビジネスではどの場面でも1回1回が勝負なのだという感覚を持ってくれたのではないでしょうか」と大川准教授。
継続した産学連携の取り組みで見えたもの
2013年から産学連携プロジェクトを継続しているファッションビジネス研究室。継続を可能にしたのは学生の取り組む姿勢。学生ならではの視点での提案が、企業の方々から評価いただいたこと。1回ごとの結果が次年度に繋がり、振り返るとこの6年間の積み重ねが大きな手応えとなっています。産学連携に参画するチャンスは、学生自らが作っているのです。
また、基本的な挨拶や時間感覚など、まず社会の一員としての意識を持ち、自分ゴトで主体的に取り組むことで見る目が変わる、そんな学びを提供できる場である産学連携の取り組みは、重要な役割を果たしています。
参加学生Interview
プロの技術に脱帽
授業では決められた通りに製作すればよかったのですが、このプロジェクトでは縫い方をはじめすべてを自分たちが決め、それを小倉メリヤスの方に伝えなければならず、指示を間違えると違う仕上がりになるため、難しさを実感しつつ、プロの技術に脱帽しました。
素材選びも重要なプロセス
素材選定は楽しみでした。いろいろな素材を見て触って考えて、真剣に検討しました。思い通りにならないことや、授業前にみんなで集合したり、大変なことも多くありましたが、すごくいい経験になりました。
服の製造?販売をトータルで体験
前期の小倉メリヤスは「ゼロからモノをつくる」、後期の立川ルミネとの販促提案では「魅力あるファッションの情報発信」を考えるプロジェクトでした。この2つを通して、服づくりから販売までのビジネスの流れを体験できました。
問題に直面することが成長に
思い描いたものをカタチにする難しさを知りました。生地が厚いとデザインの印象が変わるので軽くするとか、体験しないと気づくことのできないことばかりで、問題に直面してはどうしたらいいか考え、結果、自分の成長にも繋がりました。
意見をまとめる「チーム」の学び
授業の製作は、個人が思い思いのものを製作すれば良かったので、意見をまとめるのは大変でした。ターゲットが私たち女子大生であり、みんなの意見は「買い手」の声でもあります。1つのカットソーを様々な意見を取り入れて製作したことが学びになりました。
<本件に関する問い合わせ先>
実践女子大学研究推進機構研究推進室
TEL:042-585-8821