【JOIN! no.12】現代社会学科×東京サマーランド「顧客視点を取り入れた「観光?レジャー施設の改善策」」
パートナー:株式会社 東京サマーランド
担当教員:角本伸晃教授
参加学生:角本ゼミ(2018年12名、2019年度11名)
実施期間:2018年9月~
顧客視点や女性目線でのアイデア?意見を期待する(株)東京サマーランドに女子大生ならではの見解?改善策を提言。東京サマーランドはもちろん、他のレジャー施設へも現地視察を行い検討?発表を行いました。
求められた「顧客視点」
東京あきる野市に位置するテーマパーク『東京サマーランド』は、園内で実施する企画やイベントが「従業者視点」からのものになりがちになっており、「顧客視点」を取り入れることが重要な課題であると痛感していました。一方、現代社会学科の角本教授は学生に対して「座学では得られない学びをしてほしい」という思いがありました。双方の思いを実現するため、「顧客視点を取り入れたテーマパークの改善策」というテーマで今回の連携を行うことになりました。
現場に行って初めてわかるもの
取り組みにあたり、まず東京サマーランドから現状の課題とイベントの運営や企画に通じる企業理念などを説明していただきました。学生たちは、課題だけでなく企業理念なども聞く中で「普段のゼミとは求められていることが違う」という緊張感や責任感を感じていきました。実際にサマーランドを訪れ、施設を体験しながら現場で課題の確認も行い、類似する施設やテーマパークとの比較調査も実施し、改善点を探っていきました。
何気ないところにもきっかけが
東京サマーランドの現地調査の直後に行ったヒアリングでは「案内板が少ない」「水まわりが気になる」「濡れた裸足でも着替えやすいフロア素材であることがリピーターを作る重要なポイント」等、学生目線?女性目線の率直な感想を述べました。中間報告会?最終報告会では、それらの具体的な改善策が報告されました。学生たちは感じたことに対する改善策を素直にまとめただけと思っていましたが、東京サマーランドが求めていたのは、まさにこの部分でした。例えば、フロア素材では実際に他施設で良いと感じた素材と同様のものを探して提案した学生もいました。これらの意見の一部が反映され、2019年、東京サマーランドの更衣室が大幅にリニューアルされました。
相手への「伝え方」を考える
学生たちの発表の中で、東京サマーランドの方が戸惑う場面もありました。例えば『ゆめかわ』という言葉は、学生同士にはその面白さやイメージが伝わっても、東京サマーランドの方にはうまく伝わりません。どうすれば相手に伝えられるかを考え、実際に流行している事例やサンプル画像等を作成するなどの工夫をすることで、学生たちは「伝え方」を学ぶ機会にもなりました。
学生の自主性を引き出す
今回の取り組みを通じて、人前で自信をもって話ができるようになるなどの成長が見られました。一方で「個性がある学生たちをどう動かしていくかが課題の1つ」と角本教授は言います。1人1人がチームの中でどのように役割を果たして活動していくのか。次年度は調査計画の立案から行い、学生の自主性をより引き出すような活動に、と角本教授は構想しています。
参加学生Interview
下手なものは見せられない
通常の授業で小さなプレゼンはありますが、実際に働いている企業の担当者の方に対してプレゼンする機会は初めてでした。仮定されたものではない、現実にあるものに関する依頼を受けて答えを出すことに、下手なものは見せられないなという責任感を感じました。また、実現可能な提案かどうか考えるのも、普段の授業だけでは得難い体験で、アイデアと実現性のギャップを埋める部分に苦労しました。
より良い提案を出したい
相手の要望を把握して、提案への反応を見て、また対応を考えるという時間は、普段受ける授業とは全く違うと感じました。課題というよりも人が「求めている」という気持ちが大きく感じられ、どう応えたらよいか悩みました。「何か変えたい」という内容に対して、予算の縛りなども含めたより良い提案をできればもっとよかったな、と思いました。
“映え”を求められましたが…
企業の方から「サマーランドに“映え”を取り入れたい」というご要望を受け、どうしようかと思いました。一部だけ“映え”を入れても、“映え”を求める層は他へ行くからです。そこで、ターゲットを見直し、ファミリー層を中心に老若男女が楽しめるような提案を考えました。一部、若者ならではという考えの提案を入れましたが…わかりやすく伝えることに苦労しました。
実現可能性を配慮して提案
私たちのグループは、なるべく実現できそうなことを考えました。その中で、「雑草が気になった」という感想を伝えたところ、サマーランドの方に後日「社員で雑草を処理しました」と聞きました。すごいアイデアでも何でもないですが、少しでも私たちの視点が活かされたことがわかり、うれしく思いました。
打合せはLINEで、時間作りも工夫
チームの人数が多いので、全員で集まることもなかなか難しい状況でした。そこで、レジャー施設の視察は手分けをして行い、写真と説明をお互いにLINEで共有しました。打合せもLINEを中心に行いました。プレゼンテーションに使う資料を作る作業は、グループのメンバーがいつでも編集できるGoogleスライドを使用し、作業しました。
授業のように決まった時間や場所ではない中で調整するということは今までに経験がなく、大変でしたが、お互いに助け合えてチームワークを学べたように思います。
<本件に関する問い合わせ先>
実践女子大学研究推進機構研究推進室
TEL:042-585-8821