平成19年3月大学院修了 教諭
現在の仕事内容
ふだんは中学から高校までの国語科の授業を担当し、放課後や夏休みには大学入試に対応した受験講習も行っています。どうしたら生徒たちにわかりやすく伝えられるのかを考えながら、授業の合間に取り組む教材研究は、苦労もありますが楽しい時間の一つです。
また、担任として高校1年のクラスを受け持っています。毎朝のHRで生徒たちの表情を見て、その日のコンディションを確認したり、時には教室で一緒に昼食をとりながら話を聞いたりします。こまめにコミュニケーションを図り、少しの変化にも気づけるよう心がけています。
そのほかには、学校の新しい取り組みとして2年前に開設された公式ブログの編集委員となって、保護者や外部の方々へ学校の様子をお伝えしたり、司書教諭として図書室の管理を行ったりもしています。校務内容は多岐にわたりますが、一つひとつが生徒たちの学校生活?環境をよりよくすることにつながっていると意識して、日々気を引き締め、取り組んでいます。
現在の仕事を選んだ理由
就職活動をするとき、小学生のころから抱いてきた「国語が好き」という思いを生かした仕事に就きたいと考え、教職を選択肢の一つとしていました。当初は、企業で働くことも視野に入れていたので、どの道に進むべきか大変悩みました。自己分析を重ねるなかで、中学?高校時代に得た経験や友だちの存在が、自身を形成するとても大きな要素であることに気づいたのが本格的に教職を志すようになったきっかけです。思春期に身に付けたものが、大人になってからも導いてくれていることを知って、恩師への感謝の思いも一層強まりました。その後は、そうして与えられたものを今度は私が学生たちに引き継ぎたいという気持ちをもって、教職一本にしぼり採用試験に臨みました。大学院を修了した春、縁あって成女学園(明治32年創立)の一員となりましたが、私自身が女子校出身ということもあり、なじみ深い環境で働けるのをうれしく感じています。
大学で学んだことで、今生かされていること
国語?国文学を楽しむ心です。先生方のとても楽しそうに授業をなさっていた姿が印象に残っています。
もともと国語が好きで、国文学科に進学しましたが、それまではなんとなくでしか認識していなかった国語の魅力を具体的に、そして惜しみなく教授していただきました。私にとって、学べば学ぶほど楽しくなることを、身をもって経験した場所が、大学の教室であり、先生の研究室です。授業を行う立場となった今、それを伝えようとするなかで、生徒たちの目がキラキラと光るのを見るたびに、大学での学びが今日に生かされているのを肌で感じています。
在学中の一番の思い出
カフェテリアで、同級生と授業や将来について何時間も話したことです。気がついたら、明るかったはずの空がいつのまにか真っ暗になっていたのも、一度や二度ではありませんでした。また、お互いに励ましあいながら、課題のレポートを必死になって仕上げた夜も忘れられません。どうしても仕事に追われてしまうようなときは、当時を思い出して、自分を奮い立たせたりすることもあります。
これからの展望
メールやネット上でのやりとりを重ねがちな今日ですが、直接言葉を交わすことで成り立つ心の通い合いを大切にしたいと考えています。それは生徒たちに望んでいることでもあり、そこで必要となるのが、状況にふさわしい言葉を紡ぐ語彙力と想像力です。それらを培うためにも、学校がたくさんの感情を経験しながら意欲的に学習を進められる環境となるように努力したいと思っています。
また、司書教諭として、読者の教養を深め、人生をより豊かにしてくれる本との出会いを多く提供することも目標にしています。まずは、皆が自然に足を運び、本を手にとりたくなるような図書室の運営に力を注いでいきます。
将来に目を向けると、ビジョンはふくらむ一方です。大学で教わった未知のものへむかうときのわくわくする気持ちを忘れずに、これから教員として、そして人として成長していけたらと思っています。