国文学科で学ぶ3つの領域
領域Ⅰ 日本の文学とことばを学ぶ
この領域の各科目は、国文学科における学びの「幹」となるものです。この領域では、日本語学、日本文学、漢文学?中国文学、日本語教育学の基礎から応用?発展までを体系的に学び、4年次にはそのいずれかについて卒業論文を執筆します。
[1年次]10科目の必修科目を通じて日本語学、日本文学、漢文学?中国文学とは何かを学び、研究の土台となる知識や技能を修得します。「国語学概論a?b」「国文学概論a?b」では、学習?研究のための書籍やデータベースの使い方はもちろん、日本語?日本文学の歴史的変遷について具体的に学びます。「古典文学基礎講読a?b」「近代文学基礎講読a?b」「漢文学基礎講読a?b」では、時代や文化圏を行き来しながら、様々な書物を読み解いていきます。特に「古典文学基礎講読」ではくずし字解読の基礎も修得します。
[2年次]自身の興味?関心に応じて選択する「選択必修科目」を次年度とあわせて40単位以上修得します。2年次では「文学史?国語史科目」「基礎演習科目」を選択します。「文学史?国語史科目」では、関心のある時代や分野についての知識を深めます。「基礎演習科目」では前期開講科目で調査や分析のための基礎を修得し、後期開講科目でプレゼンテーション?ディスカッションを充実させながら、論理的に考え、説明するための力を磨いていきます。2年次の終わりには卒業論文ゼミを決定します。
[3年次]卒業論文のテーマを意識しつつ、自分の関心のありようを見定めて、「選択必修科目」のうち「研究科目」と「演習科目」を選択します。「研究科目」には、それぞれの分野における最新の知見を学べる授業が並んでいます。「演習科目」では、それぞれの時代や分野での最重要の資料を読み解いていくためのノウハウを学びます。どの時代?分野の授業であっても、皆さんのリテラシーを磨くという意味では意義深いものとなるはずです。なお、原則として、卒業論文ゼミの指導教員による「演習科目」を履修して、卒業論文執筆のための準備をスタートさせます。
[4年次]上代文学、中古文学、中世文学、近世文学、近現代文学、漢文学?中国文学、国語学、日本語教育学の各ゼミで切磋琢磨しながら、4年間の学生生活の集大成となる卒業論文を執筆します。
領域Ⅱ 日本文化を社会にひらく
この領域は「プロジェクト科目群」「伝統文化科目群」「国際発信科目群」から成り立ちます。いずれも日本文化と社会との関わりを考え、体験的に学び、発信していくことを目ざした授業です。
プロジェクト科目群は、「国文学科の幹」—つまり領域Ⅰで学んだ知見や技能を現代の社会にひらいていくための「枝葉」にあたる授業です。その基礎に位置づけられるのが、2年次後期の必修科目である「国文学科プロジェクト入門」です。担当教員それぞれの問題意識から立ち上げたプロジェクトを遂行する6クラスに分かれて、日本語?日本文学研究と現代社会の接点を模索し、発信することを目ざします。その他、選択科目として、キャンパスの外で課題を発見する「文学散歩プロジェクト」「名所?旧跡プロジェクト」や、企業と連携する「国文学マーケティングプロジェクト」「国文学科社会連携プロジェクト」、さらには英語を用いて日本語?日本文学の発信を試みる「国文学科グローバルプロジェクト」があります。
伝統文化科目群は、「書芸」「礼法」「伝統芸能」「茶道」「有職」「香道」といった日本の伝統文化を体験的に学ぶための科目群です。また「正しい文章を書く」「美しい文字を書く」など、卒業後のキャリアにも役立つ授業も受講できます。伝統文化をただ学ぶだけではなく、その魅力や価値を国内外に発信していくための土台となる科目群です。
国際発信科目群には、「日本語教育文法」「日本語教授法」「日本語教授法演習」など、日本語を母語としない人たちに日本語を教えるための技術と知識を身につける日本語教育科目と、「Japanese Literature」「Japanese Culture」など、日本の文学や文化を英語で発信するための科目があります。日本語?日本文学?日本文化を海外にひらいていくための科目群です。
領域Ⅲ 国文学科でキャリアを学ぶ
この領域の科目は、国文学科で学んだことを社会や皆さんの未来のキャリアにつなげるための授業群です。
教職科目群は教員免許状を取得する際に必修となる専門科目群です。教員免許状の取得には、この科目群の他にも教職課程の科目を履修することが必要です。教員免許状の取得を希望しない学生でも履修は可能です。その場合、この科目群の科目は「選択科目」と同様の扱いとなり、修得した単位は「選択自由単位」に含めて数えることができます。
文学部キャリア科目群は、英文学科?美学美術史学科の学生とともに、文学部の学生に特化させたかたちで学ぶキャリア支援科目です。卒業に必要な単位のうち、「選択自由単位」に含めて数えることができます。
自分の道を極めよう
このように国文学科では、日本文学、日本語学、日本語教育学、漢文学?中国文学の基礎を学ぶことから始め、専門的な知識や技能を修得していくなかで、皆さんのリテラシーを磨き上げ、日本のことば?書物、さらには情報を扱うスペシャリストへと育成します。実践女子大学文学部国文学科で努力の末に身につけた力は、現代に生きる皆さんの未来を明るく照らすものであることは間違いありません。
日本文学や日本語学の専門知識を修得した上で国語科教員を目ざすことも、日本語の性格を正しく知り、日本語教授法を学んで日本語教師として教壇に立つことも可能です。
さらに、研究のステップアップや、専修免許状(国語)取得のため、大学院の博士前期課程に進学することもできます。さらに研究を深めたい場合には、博士後期課程に進学し、博士(文学)の学位を取得することもできます。
国文学科での学びを通して、皆さんそれぞれの、人生の指標を獲得していきましょう。