大卒正社員を対象にインターネット調査を実施する
<指導教員>髙橋 桂子
<発表日時>2021年 2月9日
<発表場所>生活文化学科卒業論文発表会
高橋研の3年?4年で、大卒?正社員の社会人を対象に「有能な社会人を規定する要因」調査を実施する。
従属変数である「有能な社会人」はリーダーシップ変数である。具体的には、①リーダーシップを発揮している、②シェアド?リーダーシップを発揮しているである。他方、独立変数は①互恵的規範性、②社会的感受性、③暗黙の知能観(増加理論)である。
仮説は、①「互恵的規範」得点が高いほど、有能な社会人だろう、②「社会的感受性social sensitivity」得点が高いほど、有能な社会人だろう、③暗黙の知能感では「増加理論」得点が高いほど実体理論得点にくらべて、 有能な社会人だろう、シェアド?リーダーシップを発揮しているほど、仮説が支持される傾向にある、と考えている。
News
2020年度
コロナ禍で、予定していたほど、経験サンプリング法の参加者が集まらなかったため、倫理審査を受けた調査票を用いて全国の大学生200人を対象にインターネット調査を行い、高橋ゼミ3年生9人で分析し、論文作成を行った。
本活動は、①経験サンプリング法による調査の実施 ②全国大学生を対象とするインターネット調査の2つである。
首都圏に勤務する、年齢25~34歳で最終学歴が大卒以上の営業職(メーカー)で働く正社員男女を対象に、インターネット調査を実施した。合計113名(男性58名、女性55名)が分析対象である。
被検者内で実体理論と増加理論に差があるかどうかについて検定を行ったところ、有意差が確認された。
さらに、暗黙の知能観と失敗要因の関連を検討したところ、実体理論者は失敗の原因を外部に帰属する傾向にあること、実体理論と協同作業認識尺度の間には正の相関が示さること、などが明らかになった。
本研究の特徴点である「上司の関連」と暗黙の知能観に関して検討したところ、増加理論者ほど、「上司から正当な評価をされていない」「上司から信頼されていない」と考える人が多いことが示唆された。
上司と部下の信頼と被信頼の関連、上司の指導を受けた部下が、その後どのように認知し振る舞うかなど、部下の知能観に与える影響について検討することが、今後の課題である。