研究手法を磨く:経験サンプリング法による調査の実施
<指導教員>髙橋 桂子
<発表日時>2021年 2月9日
<発表場所>生活文化学科卒業論文発表会
心理学の領域では「経験サンプリング法」という新たな研究手法が開発された。これは、日常生活を送る調査対象者に数日間にわたり1日数回、定刻もしくは無作為な時刻における測定を実施する方法である。この手法を用いることで日常生活環境の中にある心のあり方、それに影響を与える内的外的要因効果を抽出することができる、といわれている。通常の1回限り(ワンショット)のアンケート調査に比べて、結果は頑健であることが欧米の研究で示されている。日本でも2015年時点で50本強の先行研究が出てきている。この研究手法で分析を進め、心のあり方を深掘りすることが当該領域の研究で求められている。
「経験サンプリング法」を実施するには、数日間にわたり調査対象者に協力してもらわなくてはならない。回答離脱を回避するため、多くの先行研究では「謝礼」を出している。
「経験サンプリング法」による本学学生を対象とした「リーダーシップ」をめぐる調査で、1回限り(ワンショット)のアンケート調査と「経験サンプリング法」による結果に違いが出るか、それはどのような違いか、研究枠組みに従って検証する。
News
2020年度
コロナ禍で、予定していたほど、経験サンプリング法の参加者が集まらなかったため、倫理審査を受けた調査票を用いて全国の大学生200人を対象にインターネット調査を行い、高橋ゼミ3年生9人で分析し、論文作成を行った。本活動は、①経験サンプリング法による調査の実施 ②全国大学生を対象とするインターネット調査の2つである。
発表について
①経験サンプリング法による調査の実施:冒頭表記の通りである。
目的:誰もがリーダーシップを持っていることを認識できれば、リーダーを務めることに対する自信が高められるだろう。この仮説を経験サンプリング法を用いて実証する。
方法:経験サンプリング法。連続する7日間、1日3回
対象:本学学生有志26名
結果:日常的なリーダーシップ行動を重ねることは、自信につながる。自信得点が高くなると、リーダーシップ尺度得点に有意な正の影器を及ぼすことが示唆された。
②全国大学生を対象とするインターネット調査:2021年1月に実施し、2月、3年生が集まって分析?論文作成を行った。