漢文学基礎講読 田中 靖彦先生
漢文学基礎講読 田中 靖彦先生
「漢文学基礎講読a」(前期)、「漢文学基礎講読b」(後期)は、主に一年生を対象とした授業です。歴史書『三国志』を教材とした漢文講読の授業を行っています。授業は主にテキストの訓読と現代語翻訳を受講生が順番に発表する演習形式で進めています。
当該授業の予習と復習を通して、研鑽力(学修を通して自己成長する力)の向上が期待でき、また漢文や中国の歴史に関する理解を深めることで、国際的視野の成長が見込めます。
「国文学科なのに、なぜ外国古典の漢文の授業があるのか」と疑問に思う学生もいると思います。しかし、日本では、古くから漢文を訓読という方法で読み継いできており、漢文は今もなお、さまざまな形で日本語や日本文化の中に生きています。つまり漢文は、中国の古典であると同時に、日本の文化や言葉をより深く理解するための教養でもあると言えます。
最近は、漢文を苦手とする学生が増えていると言われますが、この授業では可能な限り漢文に親しみを持てるように努めています。テキストに、日本でも知名度の高い『三国志』を用いているのもその一環です。最初は漢文に不慣れな学生にも読みやすい平易なテキストを用い、徐々に本格的な内容にステップアップする形で授業を進め、読解力向上を目指します。また、三国志にまつわる興味深いエピソードや、中国史や漢文の豆知識についての解説も行います。これらを通して、多くの学生に漢文への興味を深めてもらえることを願っています。