アメリカの文化と社会(深瀬有希子先生)
※2023年度までのカリキュラムに基づく内容です
授業のテーマ
1960年代にみる自由の諸相—
公民権運動、核開発、宇宙開発競争、ベトナム戦争
授業の魅力
?英文で書かれたテキストのみならず、映像音声資料にも触れ、多様な表現方法への理解を深める
?グローバルな視点を獲得する
学生の身につく力
?英語を深く読む力
?アメリカ文学?文化?社会への理解
?対象を複数の視点から分析する力
授業の内容
マーチン?ルーサー?キング牧師の代表的演説「私には夢がある」は、中学や高校の英語の教科書で読んだという学生は多いでしょう。けれども、キングのデビュー作ともいえる演説や、彼が暗殺される前日に行った演説はどうでしょうか。本講義では、それらの演説を含め、1960年代のアメリカ文学?文化が、どのような伝統をふまえて成り立っているのかを考察していきます。また、アフリカ系アメリカ人が自由への道を辿るのと同時期に、世界で、あるいは宇宙を舞台にして繰り広げられた、さまざまな国家戦略についても学んでいきます。人種?民族?ジェンダーなど複数の概念が交錯する60年代の文学?文化に触れることにより、異文化理解はもちろんのこと、対象を多方面から分析する方法や論理的思考力を獲得することを目指します。
教員からのメッセージ
皆さんは、いまから100年後の世界を想像することができるでしょうか。そこは、いまよりも生きやすい世界でしょうか。かつて19世紀半ばに、アメリカ大統領エイブラハム?リンカーンが奴隷解放宣言をなしました。しかし、アフリカ系アメリカ人が公民権を獲得したのは、それからおよそ100年たった1960年代のことでした。このように、彼ら?彼女らが長い年月をかけて手に入れた自由の意味について、また民主主義への信頼について、現在のアメリカ合衆国や日本の状況を鑑みながら考えていければと思っています。