生活科学部現代生活学科の地域?生活文化ゼミ(須賀ゼミ)が、日野第五小学校6年生の「総合的な学習の時間」の授業内でカルタ交流会を実施(6/12)
6月12日(水)、生活科学部現代生活学科の地域?生活文化ゼミ(須賀ゼミ)の学生が、かねてより交流のある日野第五小学校(以下、五小)を訪れ、6年生の「総合的な学習の時間」の授業内で「わ?カルタ(多世代交流カルタ)」を用いた交流会を実施しました。
「わ?カルタ(多世代交流カルタ)」とは
生活科学部現代生活学科の須賀由紀子教授の下、地域自立型社会の課題に取り組む地域?生活文化ゼミ(以下、須賀ゼミ)。異世代が理解し合うツールとしてオリジナルカルタ「わ?カルタ(多世代交流カルタ)」を制作し、さまざまな活動に役立てています。
「わ?カルタ」には、「多世代交流カルタ」シリーズと、「くらしいろはカルタ」シリーズの2つのシリーズがあります。前者は世代がお互いを理解しつながることを目的としたシリーズ。幼児の言葉や行動を捉えた読み札と、日用品を使った「見立て」の技法で作成した絵札の組み合わせが楽しい「こどものい?ろ?は『見立てカルタ』」のほか、若者から見た現代の高齢者の姿を言葉にした読み札と、既存のアートをコラージュしてデザインした絵札が魅力的な「高齢者のい?ろ?は『アートカルタ』」、高齢者と若者の思いを対にした札で構成されている「相詠み(あいよみ)カルタ」の3種類があります。「くらしいろはカルタ」シリーズに分類される「くらしのい?ろ?は 『くらしカルタ』」は、家庭科の教科書を題材に作られたカルタ。絵合わせを楽しみながら、心豊かな暮らしのヒントが得られるのが特徴です。
これまでの交流の延長線上に実現した五小でのカルタ交流会
かねてより、五小の子どもたちと交流を図ってきた須賀ゼミ。「総合的な学習の時間」の授業を訪れてゼミの活動を紹介したり、一緒にまちあるきを企画して地域の活性化に取り組んだりしてきました。そんな中、須賀ゼミの「わ?カルタ(多世代交流カルタ)」を使った活動は子どもたちの大きな関心を集め、昨年度は五小オリジナルのカルタ制作プロジェクトに発展。須賀ゼミと五小の子どもたちの協働で、昨年11月に日野市の地区センターで開催した「五小の子どもたちとうちたすの魅力発見!プログラム」というイベントでは、当時6年生の子どもたちを中心に、五小オリジナルカルタを使った多世代での交流が実現しています。
そして今回は、多世代をつなぐカルタの魅力を現6年生にも味わわせたいという五小からのリクエストを受け、「総合的な学習の時間」の授業内でカルタ交流会を実施することに。須賀ゼミの4年生4名、3年生4名の計8名が五小を訪れました。
「総合的な学習の時間」を利用してカルタ遊びで交流
当日は、6年生全員が校内のプレイルームに集合し、いくつかのテーブルに分かれて全4種類の「わ?カルタ(多世代交流カルタ)」を体験。イベントの進行や、各カルタの説明、読み札の読み上げは、すべて須賀ゼミの学生たちが担当しました。
カルタ遊びが始まると、いずれのテーブルでも読み札を読み上げる学生の声がかき消されるほどの大歓声が上がり、終始大盛り上がり。夢中でカルタ遊びに興じる子どもたちの姿から、カルタが異世代をつなぐツールとして有用であることを学生たちもあらためて実感した様子でした。
カルタ遊びを終えた後には、子どもたちから学生たちに質問する時間も。カルタの絵柄に始まり、学園祭の内容をはじめとする大学の活動に関するものまで、さまざまな質問の声が挙がり、子どもたちと学生たちとの交流を深める良い機会にもなりました。
また次月以降、五小と須賀ゼミと協働でのまちあるきイベントが企画されていることから、その準備に向けたヒントを引き出そうとする質問も学生たちに向けられました。新たな取り組みに対する子どもたちの意欲を喚起するきっかけづくりの場としても、有意義な交流会となりました。
今後も須賀ゼミは五小の「総合的な学習の時間」の授業に参加し、子どもたちと一緒に地域を元気にする取り組みを続けていく予定です。
日野第五小学校 子どもたちのコメント
- 自分のことも関連しているし、高齢者の方のこともわかるから、学習に繋がるかなと思った。
- 社会の人に分かりやすく伝えるためにはどうするのかなどのことを学びました。それを活かして、分かりやすくゲーム感覚でできることなどを考えていきたいです。
- 次は僕がこのようなことをして、社会のみんなに、地域のよさを伝えたいです。
- 自分たちもオリジナルの日野市の魅力の内容でカルタを作って発信したい。
- カルタでみんなと関われたので、自分たちもみんなと関われる活動がしたいと思った。
日野第五小学校 小坂先生のコメント
須賀ゼミとさまざまなコラボレーションをする中で、人と人との交流ツールとしてのカルタの可能性を知りました。昨年度は、「総合的な学習の時間」の授業内で当時の6年生と五小オリジナルのカルタ作りに挑戦。作っている最中の子どもたちの生き生きした表情や、目標に向かって頑張ろうとする素直さに触れ、取り組みの成果を実感した次第です。また、カルタを制作した当時の6年生が、成果物であるカルタを下級生のために残したいと申し出てくれたことで、カルタが世代と世代をつなぐツールとしても有効だと確信しました。
そこで、まだカルタに触れていない現6年生にもその良さを知ってもらいたいと思い、今回も須賀ゼミの皆さんにご協力をお願いした次第です。純粋にカルタ遊びを楽しみ、興奮した様子の子どもたちでしたが、今回の体験を踏まえ、カルタに込められた思いを考察する時間もあらためて設けたいと考えています。
私たち五小では、「まちづくり」をテーマに「総合的な学習の時間」の授業に取り組んでいます。そんな私たちにとって、地域自立型社会の課題に取り組む須賀ゼミの活動はまさにお手本です。今後もまちあるきをはじめ、実践女子大学の皆さんとさまざまなイベントを企画し、地域の未来を担う子どもたちの学びに結び付けていけたら幸いです。
学生のコメント
これまでも、須賀ゼミでは五小の子どもたちと親交を深めてきました。今後、一緒にどのような活動ができるか考える中、今回は小坂先生からご提案をいただき、私たち須賀ゼミがオリジナルで制作した4種類のカルタを使って、6年生全員と交流を図ることとなりました。
カルタは、世代を問わず誰でも楽しめるのが特徴です。これまでも、高齢者の方々や中学生とカルタで交流してきましたが、これほど大人数の小学生とカルタをするのは初めてのこと。限られた時間の中でどうすれば最大限楽しんでもらえるかを考え、あらかじめ子どもたちに共感してもらえそうな札をピックアップして臨みました。まずは、カルタ遊びの楽しさを体感してもらうことが第一の目標でしたが、笑顔いっぱいで遊んでくれた子どもたちの姿を見て、その目標は達成できたと自負しています。
今後は、子ども世代と高齢者といった多様な世代の方をつなぐツールとして、カルタの活用の場を広げていきたいです。(生活科学部現代生活学科4年 橋本紗英)
初めて小学生とカルタで交流しましたが、みんなとてもアクティブで、こちらも元気をもらいました。一方で、このような交流の場を企画し、より楽しめる内容にしようとさまざまな工夫を凝らした4年生の先輩方の努力に刺激を受けました。私自身、今後もカルタをはじめとする須賀ゼミ内の活動に積極的に参加し、自身の興味を絞り込んで学びを深めていきたいと考えています。
カルタで遊んだ後の質問コーナーでは、修学旅行や部活動のことなど、カルタとは関係のない質問を子どもたちからいただきました。大学生活や実践女子大学そのものに関心を寄せてもらえたことも、とてもうれしく思っています。(生活科学部現代生活学科3年 笠原真優)
須賀 由紀子教授のコメント
わ?カルタ(多世代カルタ)は、どんな人でも参加できて、世代間の思いや知恵を共有しながら対話し、地域の人と人をつなぐことを目的とするカルタです。このたび、日野五小の六年生の児童130名の皆さんと、このカルタをさせていただきました。こんなに大勢で一斉にカルタをするのははじめてでしたが、会場いっぱいに歓声が広がり、あらためてこのカルタの魅力を感じました。小人数のグループでも大人数でも、お話しが弾む万能のカルタです。今後もこのカルタを用いて、いろいろな場で地域交流の輪を広げていきたいと考えています。