文豪の筆跡 -実践女子大学所蔵?近代作家資料-
実践女子大学の所蔵資料?調査資料のなかから、貴重な近代作家直筆資料をご紹介するWeb展示
2021年6月12日から8月29日まで、船橋市西図書館でギャラリー展示「文豪?佐藤春夫と太宰~船橋時代に出会った師弟」が開催されました。
いまだ報われずにいた船橋時代の太宰治に非凡な才能を見出した作家?佐藤春夫(1892-1964)の幅広い人脈に光を当てた展示で、デビュー前の佐藤に深い友情と信頼を寄せていた芥川龍之介の書簡と、絶交の瀬戸際まで二人の関係を懸命に保とうとしている親友?谷崎潤一郎の書簡、そして、佐藤が自己投影していたに違いない太宰治から切実な期待を寄せられた最初の書簡などが本学から出品されました。
開催にあたり、国文学科ではコラボレーション企画として「文豪の筆跡」ページを新設しました。幸いこのWeb展示には多くの皆様のご好評をお寄せいただきました。そこで今後も、「文豪の筆跡」ページを、本学が所蔵する近代作家直筆資料をご紹介するためのページとして活用していく予定です。
いまや「文豪」と呼ばれる作家たちにも、青雲の志を抱いて文壇に躍り出た駆け出しの頃がありました。また、自らの才能に「恍惚と不安」を感じつつ創作に悩んだり、熱い思いを仲間とぶつけ合ったりした姿が資料から浮かび上がってきます。彼らの真剣な芸術魂の叫びに耳かたむけ、世紀を超えて心震わせるひとときをこの場所でお楽しみください。