?春に読みたいおすすめの本
今年は例年に比べて気温が高く、桜の開花など春の訪れを早く楽しめる季節となっています。
春は進学、進級など新たな生活の始まりの季節でもあります。
今回はそんな春に読みたいおすすめの本を紹介したいと思います!
?『なりたて中学生』著者:ひこ?田中/出版社:講談社
あらすじ:
第57回日本児童文学者協会賞を受賞しました!
成田鉄男は、土矢小学校に通っている小学六年生。でも、親が、いま住んでいるアパートから、ほんのちょっと離れたところに念願のマイホームを建てたものだから、小谷や菱田といっしょに土矢中学校に進学するはずが、瀬谷中学校に通うことになってしまった。
瀬谷中には、小学生のときから仲の悪かったやつらのいる南谷小学校をはじめ、ほかの小学校から入ってくる生徒ばかり。知っている子はだーれもいないなか、中学生になってしまった鉄男は、南谷小出身の後藤に目をつけられたり、いっしょの洋装店で制服の採寸をした杏里が気になってみたりしながら、へたれなりに自分の立ち位置を探りはじめたのだった——。
*引用サイト
『なりたて中学生 初級編』(ひこ?田中)|講談社BOOK倶楽部 (kodansha.co.jp)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000189065
(最終閲覧日:2024年2月23日)
☆ジャンルとしては児童文学作品になりますが、大学生でも楽しめる作品です!
読んでいると自分の中学生の”なりたて“の頃を思い出し懐かしい気持ちになれます。
そんな懐かしい気持ちとともに時には主人公と一緒に中学生の”なりたて”生活を楽しむのもどうですか。
たちばな 桃
寒気もようやくゆるみ始めた昨今ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今日は春雨が煙っています。弊学では、エントランス横に「乙女の傘」という、学生が自由に借りられる傘が設置されています。渋谷で雨に降られても、学生なら弊学に駆け込めば、傘が手に入るわけです。忘れ物が多い受験生の方は弊学への入学をおすすめします。
さて、私は石崎洋司先生の『JC紫式部(1) 転校先は、”姫”ばかり!?』(講談社青い鳥文庫)を紹介します。「紫式部たちがタイムスリップしてきた、セレブで平安時代?な学園が舞台の、ちょっぴりホラーなラブコメ!」(https://aoitori.kodansha.co.jp/book/2024/2/2.html(2024.03.6閲覧))という内容の児童書です。
私は先生のファンなので、本が告知されてから、出版されるのを楽しみにしていました。お気に入りの登場人物は副校長?安倍晴明さんです。不健康そうな顔に、あごひげをたくわえている、決してイケメンキャラとして描かれない姿が愛おしいのです。そのほかにも、電動キックボードで道長たちが鬼門を避けて登校する場面など、現代と平安時代のしきたりが入り混じる世界がとてもおもしろいです。おすすめします。
同時に、山田利博『知ったか源氏物語』(新典社新書67)もおすすめしたいです。
源氏物語の梗概や平安文化、「『源氏物語』って『平家物語』の裏側?」などといった初歩的な疑問にも、わかりやすい解説を付してあります。
JC紫式部を読んだり、今年の大河ドラマを見たりしながら、源氏物語に興味を持ったものの、私は古典がてんでだめでした。古語がいけないのではなく、現代語の漫画すら、読むのを諦めたものです。しかし、解説を読んで、初めて、古典とはただ物語として読むだけでなく、平安時代について知識がないと、理解を絶するものだと気づきました。古典から逃げてばかりの人生でしたが、多くの学生が小中学生のうちに知ることを、今さらながら追いかけて理解してみようと思いました。
零余子
私は心温まる作品として、三浦しをん著『政と源』をオススメします!
この作品は下町を舞台に、齢73歳の国政と源二郎を中心に物語が描かれます。堅実に銀行員として定年まで働いてきた国政と、奔放なつまみ簪職人の源二郎は、正反対とも思える性格ながら絶妙なコンビネーションで事件に向き合っていきます。
私が初めてこの作品を読んだのは中学校の図書室。読後のポカポカ満たされる心地が忘れられなくて、買い直したのが懐かしい作品です。高齢な2人ゆえの問題や心が温まる事件まで、軽快に進んでいく物語も心地良いですし、特に下町の職人の世界を垣間見できるところがお気に入りです。懐かしさと暖かさを感じられるこの作品もぜひこの春に読んでみてほしいと思います!
今回、進級や卒業の春、学校をテーマに作品紹介することとなったのですが、自室の本棚に関連した作品が見当たらず、かなり迷ってしまいました。(対して夏と冬に関連する作品は多く購入していることに気づきました。)なので、私は春の陽気のように感じられる暖かな作品として紹介しています。
また微かに記憶していた作品は図書館で読んだきりになっているため、細かな内容が思い出せませんが、ぜひ読んでみてほしい作品があります。一つは長野まゆみ著の『少年アリス』です。ファンタジーと現実が入り乱れた学校が描かれていて、読書感想画の題として絵を描いたのが思い出です。二つ目は村山早紀著『コンビニたそがれ堂』です。オムニバス式のシリーズもので、探し物がある人だけが見つけることができる不思議なコンビニを舞台にして優しく包み込んでくれる物語が好きでした。
この時期、新たな環境への期待や不安の春でもあると思います。そんな時にこそ心温まる作品に触れてみてはいかがでしょうか。
五色月
~ここまで読んでいただきありがとうございました!
興味惹かれる作品はありましたか?次回もお楽しみに!~