私のおすすめ本紹介
はじめまして、今週担当の2年生の星です。私の趣味はお笑いを見ること、そして読書をすることです。今回は読書について書こうと思います。(いつか大好きなお笑いについても書けたらいいなと思っています!)
さて、読書についてということで、私のおすすめの本2冊を紹介したいと思います。
① 朝井リョウ『正欲』
この本は、あらすじに「読む前の自分には戻れない」と書かれていて気になり読むことを即決しました。
検察官や寝具店の店員、大手食品会社に勤めるサラリーマン、女子大学生、男子大学生それぞれの視点で描かれる長編小説です。
読み終えた後、私はまさに「読む前の自分には戻れない」と感じました。皆さんは「多様性」と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか。読む前の私と読んだ後の私では捉え方が変わりました。最近よく聞くようになった「多様性を認める」という言葉について、読む前の私は、それぞれの個性を認めていこうというようなキラキラした言葉のように捉えていました。しかし読んだ後の私は、「多様性を認める」ということは自分の想像を超えるようなものも受け容れるということなのだと認識するようになりました。そのように考えると、世間では許容範囲の価値観は受け容れて許容範囲外のものに対しては徹底的に批判することが多い気がします。本のなかの文章を引用するならば、「マイノリティの中のマジョリティ」のみを「多様性」としているように思いました。
また、タイトルの『正欲』について人それぞれ解釈の違いはあると思いますが、私は正しいことを欲するという意味なのではないかと思いました。私は、よく批判する人はその人なりの正義があるからこそその正義から外れていることに対して自分の思う正義へと正そうとしてしまうのだろうと考えていました。しかし、実際は「よく批判する人」に限らず多くの人が正しさを求めているのだと思いました。そしてその正しさとはマジョリティの正しさなのだと思いました。
自分自身を改めて考えるきっかけにもなるような本だと思います。新たな考え方や視点を得たいと思う人には特に読んでいただきたい作品です。
② 上間陽子『海をあげる』
私の本の選び方としては、①の『正欲』を選んだときのように本屋さんであらすじを読み興味が湧いた本を選ぶことが多いのですがこの本の選び方は普段とは違いました。私の好きなお笑い芸人さんが作者である上間さんがこの本『海をあげる』で本屋大賞を受賞したときのスピーチについて紹介していたことがきっかけです。そのスピーチを聞いたときに私は、この本は絶対に読みたい、読まなきゃいけない気がする、そんな好奇心のような使命感のような気持ちになり読むことにしました。
この本は、沖縄に住む上間さんのエッセイ集です。全部で12章あります。3章目からより沖縄問題について色濃く描かれているように感じました。
読み終えて、上間さんがスピーチで仰っていた「小さな島に日本の見たくない、考えたくないものが押しやられている」という言葉の意味が少しながら分かった気がしました。この本に書かれていることも沖縄で起きていることの一部だと考えるととても心が痛くなりました。私は日本人としてもっと沖縄問題について知る義務があると感じました。
また、私は自分自身の物事に対してよく考えて自分なりに考えを持てるところを長所だと思っていますが、さらにもう一段階ステップアップするために、上間さんのように社会に働きかけることができる人になりたいと思いました。
ぜひこの本を読む前、そして読み終えた後に上間さんのスピーチも聞いてほしいなと思います。
ということでおすすめの本を2冊紹介してみました。なんだか紹介というより感想のようになってしまいましたが、ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです。お付き合いいただきありがとうございました。次回もお楽しみに?