国文学科助教の軽部利恵先生が、2022年度の「第15回萬葉学会奨励賞」を受賞されました！

軽部利恵助教（本学図書館にて撮影）

「萬葉学会奨励賞」は、若手研究者の優れた業績に対し、萬葉学会より贈られる奨励賞です。
軽部利恵助教の主な研究対象は、日本語の音節が文字によって書かれた、奈良時代を中心とする万葉仮名です。
以下の研究は、奨励賞にふさわしいものとして選考されました。

「萬葉集の「跡」字——上代特殊仮名遣いと訓仮名をめぐって」（『萬葉』232号、2021年10月）をはじめとする一連の万葉仮名研究

上記の研究論文では、「跡」（あと）という漢字が、『万葉集』『日本書紀』『仏足石歌』といった文献の中でどのように現れ、「跡」（と）という万葉仮名としては、どのように用いられているのかを詳細に分析しています。その結果、「上代特殊仮名遣い」と呼ばれる奈良時代の文字表記に特有の現象をめぐり、新解釈を提示されました。語「跡」（あと）と仮名「跡」（と）との「上代特殊仮名遣い」の食い違いを、語の表記と仮名の表記の棲み分けとして解釈し直しています。
この点が高く評価され、受賞となりました。
（参考：『萬葉』234号「第十五回萬葉学会奨励賞受賞者および受賞研究について」）

賞状

受賞対象となった論文掲載誌