和歌を訪ねて ー下田歌子先生とつながるシリーズ No.5
【歌意】
神崎の里の姫桃たちよ、長い年月後も、実を結ぶまで立派に成長し続けてほしいものです。
【解説】
この和歌は、下田先生が1919(大正8)年4月に、淡海女子実務学校(滋賀県神埼郡五箇荘町)の創立を祝って贈ったものです。下田先生の歌に、同校創立者塚本さと子氏が「名にたかき をしへのおやを しるべにて われもまなびの 道をたどらむ」と和し、嘉悦孝子氏が桃を描いた三人合作の画賛です。下田先生はこの歌で、淡海女子実務学校とその生徒を姫桃にたとえて寿いでいます。その6年後の1925(大正14)年、下田先生は塚本さと子氏の後を継いで同校の校長に就任しました。
なお、塚本さと子氏の一族はその後、きものやアパレルなどを扱うツカモトコーポレーションとして経済界で活躍。同社協賛で2015(平成27)年に行われた「八王子“きもの町おこし”アイデア募集」に本学の学生が受賞するなど、 本学と塚本家とが時を超えてつながり合う機会が生まれています。