懐かしいあの頃へ旅するシリーズ No.7
たいむとらへ?る 図書館今昔
それぞれの校地で、学生や生徒たちに学びの空間として利用されていた図書館。
各図書館のさまざまな時代?表情を、職員のメッセージとともに振り返ります。
あなたにとっての「思い出の図書館」はどんな姿ですか?
渋谷
1956(昭和31)年、地上4階地下1階の図書館棟が落成。2階に大学図書館、中2階に貴重図書用書庫、3階に中学校高等学校の図書館を配置。老朽化により1994(平成6)年に取り壊されました。
大学
中学校?高等学校
大坂上
建築業協会賞を受賞した日野キャンパス本館内に、1985(昭和60)年に完成。2段下がった閲覧席を雑誌架が取り囲む、ダイナミックな設計が特長の図書館は現在も多くの学生に親しまれています。1965(昭和40)年に、大学図書館教養部分室を開設しました。
日野キャンパス本館内図書館
大学図書館教養部分室
神明(短期大学)
創立80周年記念事業の一環として、1977(昭和52)年に完成しました。1990(平成2)年に増築、2階入口まで続くらせん階段が印象的でした。視聴覚資料が充実しており、ビデオやDVDを視聴する学生も多く見られました。
職員より ~記憶に残る図書館のエピソード~
利用者とともにつくり上げて
図書館事務部 瀬戸 笑美子
(図書館在籍'02年~'05年、'12年~現在)
図書館内には、利用者からの要望や感想などを受け付けるメッセージボックスがあります。
2014(平成26)年に渋谷キャンパスに移転した際は、毎日のように投書がありました。どれも参考になるものばかりで、いろいろと採り入れたので、「渋谷キャンパスの図書館は利用者の方々と一緒につくり上げた」と感じています。
回答に悩み、以前話題になった書籍『生協の白石さん』を参考のために読んだりしたことも、今では良い思い出です。これからも皆さんと一緒によりよい環境をつくり上げたいと思います。
学園内のさまざまな図書館に携わって
常務理事 安達 勉
(図書館在籍'74年~'96年)
司書をしていた21年間に、渋谷の大学図書館、日野教養部図書館、神明の短大図書館、そして大学図書館本館を渡り歩きました。
特に短大図書館では、蔵書冊数1万5千冊の時代から10万冊超になるまで13年間担当。途中、第一工房の設計により、グレーを基調とした書架?閲覧机や椅子、らせん階段といった素敵なデザインの図書館に生まれ変わる増改築も経験しました。(短大図書館の低書架や閲覧机は、現在、日野キャンパス本館5階の建築デザイン研究室で活用されています)
かつては図書館というと静謐(セイヒツ)を宗として、カウンター周辺で仕事の打ち合わせをしているとうるさがられたものですが、今やラーニングコモンズ(開放的な学習空間)全盛で、活発で自由な図書館利用が主流となりました。隔世の感がありますね。
図書館情報化を振り返る
図書館事務部 伊藤 民雄
(図書館在籍'89年~'09年、'16年~現在)
現在、図書館の貸出業務や蔵書検索を行う際のコンピュータの利用は当たり前のものになっています。
1992(平成4)年に実施した利用者アンケートの自由回答の欄をみると、コンピュータ目録の整備について多くの教員や学生から要望が寄せられていたことがわかります。利用者の強力な後押しもあり、1994(平成6)年からコンピュータを利用した蔵書目録の編さんが始まり、現在に至ります。
「ローマは一日にして成らず」といいますが、まさにこれは利用者が築いたものです。これからも皆さんの声を大切にしていきたいと思います。
数字で見る図書館資料のお引越し
企画広報部 上原 信幸
(図書館在籍'82年~'87年、'90年~'04年、'13年~'15年)
私が入職してから、図書館は2度の引越しを行いました。
1回目は1985(昭和60)年に、渋谷から大坂上キャンパスの新図書館に15万冊の資料を移動しました。2回目は2014(平成26)年2月から、大学図書館(大坂上)、短期大学(神明)から渋谷新キャンパスの図書館に38万冊の資料を移動しました。
38万冊を移動させるとはどういうことか、わかりやすく説明します。作業はまず移動する資料の背幅を1冊ずつ計測することから始まり、新図書館の書棚に収め、配架場所のデータベースを書き換えるという流れになります。38万冊の背幅全長は7,754m、1冊ずつ積むと富士山2つ分+200mの高さになります。約1万5千箱の段ボールを使用しました。作業に要した日数は5ヶ月、人数は延べ3,700人。図書館資料の引越しは学園にとっても大事業といえます。
現在、図書館で進められている取り組み
本学図書館では、渋谷近隣大学との相互利用、学生による選書ツアー、ビブリオバトル、オンラインデータベースの充実など、さまざまな新しい取り組みを行っています。
詳しくは図書館サイトをご覧ください。
※職員の所属表記は2016年のものです。