マーケティング演習
食生活科学科教員Y.M
食生活科学科食物科学専攻3年生を対象にした「マーケティング演習」を紹介します。
その名の通り、マーケティングを演習する授業ですが、食生活科学科ならではの演習授業となっています。
マーケティングは最近よく使われている言葉です。日本語には訳がありませんし、様々な人がそれぞれに定義していますが、実は明確な定義はありません。わかりやすくまとめるとすれば、「どのお客様にどのような価値を付けた商品やサービスをどのように届けるかに関する活動のこと」とでもいえるでしょうか。マーケティングは、ほぼどのような経済活動にも必要なものなのです。
皆さんが毎日食べている料理や飲み物、お菓子は、お店から買ってくるものがほとんどでしょう。自分が食べたいと思う食品が、どこかの企業で作られ、どこかのお店で売られているのです。そのすべての段階でマーケティングが行われていると言って過言ではありません。マーケティング演習は、そんなマーケティング活動を実際にやってみようというPBL(プロジェクト?ベースド?ラーニング=課題を実践する学修)を取り入れた演習授業です。
この授業を履修するためには、前期授業の「フードマーケティング論」で、食品関連企業で実際にマーケティングを行なっている外部講演者から、マーケティングの理論について学ぶ必要があります。マーケティングについての知識を基に、いよいよ「マーケティング演習」で実践するわけです。
本演習の特長は、実際の食品開発を行なってみるというところです。食品企業におけるマーケティングは、一般的に「企画」と「開発」に分かれ、企画部門で商品コンセプト(商品の概要)を作り、そのコンセプトに基づいて技術部門が試作を行なってものを作り上げるところが多いようです。
本授業では、当学の強みである充実した調理実習室を使い、企画のみならず実際の試作まで行ないます。企業の方に課題を出していただき、班ごとに市場調査や消費者調査の分析を行ない、だれのために、どのようなニーズに応えるためにどのような価値(差別化)を持った商品を開発するかのコンセプトをまとめ、企業の方にプレゼンし、アドバイスをもらって、2回の試作を行ないます。2回目で完成度を上げた試作品を、企業の方にも試食評価してもらい、最後に商品名やキャッチコピー、パッケージ、宣伝広告なども含めた最終プレゼンを行ないます。
写真は、プレゼンの様子や試作の風景です。このときの課題は、こだわり卵を使ったお菓子。
履修生は、試作で思うようなものができないなど、ものづくりの難しさを体験しながら、今までにない差別化されたおいしくて新しい商品の開発に楽しみながら取り組んでいました。