ゼミ紹介 食品衛生学研究室
食生活科学科教員K.O
食品衛生学研究室には、卒業研究生としては9名(管理栄養士専攻3名、健康栄養専攻2名、食物科学専攻4名)が在籍し、研究に取り組んでいます。
研究テーマは、おおまかには以下の3つがあります。
①カビの作る毒素の安定性について
②フードサービス施設を中心に衛生管理のあり方について
③古代食と当時の食文化?食品衛生について
このうち古代食についての研究では、古代の乳製品「蘇」の再現とその栄養価について研究を進めています。
さて、みなさんは「蘇」とはどのようなものかご存知でしょうか?
「蘇」とは牛乳を煮詰めたものになります。
奈良時代に、この「蘇」を地方から奈良の都に納めた記録が残っています。
この頃、牛乳や乳製品は栄養学的に優れ、その効用は知られていたようです。
冷蔵庫もない時代に、牛乳を地方から都に納めることは食品衛生上からも、困難だったのではないでしょうか。
しかし牛乳を煮詰めれば、食中毒の原因となる微生物は死滅しますし、微生物繁殖の原因となるような水分もなくなっており、衛生学的にも工夫された食品になったのではないかと想像しています。
牛乳を「蘇」と加工したことは、その当時なりの食品衛生だったようにも思うのです。
卒業研究で取り組んでいる「蘇」の再現ですが、研究室の学生たちが、学園祭で販売してみようと企画し、先日の常磐祭に出店、販売をしました。
写真はそのときの模擬店の様子と、お客様が手にした商品の「蘇」になります。
来場者には大変好評でした。
研究室のみんなも、楽しんでいました。
研究以外にも楽しく学生生活を過ごしています。