公衆栄養学実習a
食生活科学科助手A.H
今回のブログでは、管理栄養士専攻3年生が受講する公衆栄養学実習aをご紹介します。
この実習では、主に集団の健康状態および食事?栄養摂取状況に関する情報を収集?分析し、公衆栄養プログラムを立案するまでの流れを学びます。
第3回目となる今回は、「食事調査」をテーマとし、24時間尿中ナトリウム?カリウム排泄量の測定と24時間思い出し法を行いました。
① 24時間尿分析
実習前日に、比例採尿器で24時間分の尿の1/50量を採取してきてもらいました。実習では、イオンメータを用いてナトリウムとカリウムの濃度を測定し、前日1日の摂取量を推定しました。
測定の様子↓
手順を間違えないよう慎重に測定し、その結果より推定した1日のナトリウム摂取量を食塩相当量に換算しました。厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準」では、成人女性の1日の目標量は食塩6.5g未満、カリウム2600mg以上とされています。これはなかなか達成が難しいレベルで、計算を進めるうちに、あちらこちらからため息や悲鳴が聞こえました。
② 24時間思い出し法
二人一組となり、お互いに実習前日の24時間に飲食したものを時間の経過に沿って聞き取り、食品の種類と重量を推定しました。食品重量の推定には、食器の大きさのスケールや料理カード、実物大の食品写真等を参考にしました。
聞き取りの様子↓
その後、栄養価計算を行いました。レシピが不明なものや食品成分表に掲載されていない食品の扱いなど、難しい事例は先生とも相談して対処していました。
栄養価計算の様子↓
食事の聞き取りや栄養価計算に苦戦しながらも、ペアとなった学生同士で協力して進めている様子が窺えました。
最後に、同じ1日のナトリウム?カリウム摂取量について、尿中排泄量から推定した値と24時間思い出し法により求めた値とを比べて、考察をしました。「食事調査では、食品重量の推定がきちんとできていなかったから誤差が出ているのではないか」「尿中には調査日より前の食事の影響も出ているのではないか」など様々な観点からの意見が出ました!
実際の栄養食事指導では、管理栄養士が面談をしながら対象者の栄養素摂取状況を推定する場面が多くあります。日頃から、色々な料理や食品に触れるとともに、重量感覚を意識していくことが大切です。
卒業までに、たくさんの経験を積んで、管理栄養士としてのスキルを高めていきましょう!