機器分析実験
機器分析実験
食生活科学科助手M.N
今回は、実験実習科目「機器分析実験(食物科学専攻3年生)」をご紹介します。
食品成分の機器分析手法や機能性成分等への理解を深めることが授業テーマです。
全8回の授業を通して、お茶に含まれる機能性成分であるカフェインとエピガロカテキンガレートに着目し、分析機器での測定、分析結果をもとに解析を行います。
緑茶、烏龍茶、紅茶のグループに分かれてそれぞれ進めていきます。
これまで実験実習で行った分析手法は以下のとおりです!
聞いたことや見たことがある言葉はありますか?
?高速液体クロマトグラフィー
左:高速液体クロマトグラフ(HPLC)
右:使用した試料
産地や品種の異なる緑茶、烏龍茶、紅茶をそれぞれ4種類ずつ用いて実験?比較を行いました。
高速液体クロマトグラフは 固形物と空気が大敵です。試料から固形物を取り除くためにろ過し、空気を抜くために手早く試料を量り取り準備をします。機器の小さな注入口から試料を注入して、測定開始です。
お茶に含まれているカフェイン、エピガロカテキンガレートを試薬とし、分析機器「高速液体クロマトグラフ」での測定結果をもとに検量線を作成しました。
得られた値と検量線を用いることで試料ごとに物質の含有量を確認することができます。
?溶媒分画
溶媒分画は酸性?中性?アルカリ性など溶液の性質を利用して、化合物を分離させる方法です。この操作を行い、濃縮?乾燥させるとお茶からカフェインを取り出すことができます。
?核磁気共鳴
左:試料調整
右:NMRの使用方法や注意事項を学んでいます
分析機器「核磁気共鳴装置(NMR)」は非破壊で化合物の構造解析、定量、分子間の相互作用や運動評価をすることができます。
試料を調整してNMRにセットし、測定開始です。試薬で調整したデータと自分たちで調整したデータを比較し、自分たちが取り出した物質が「カフェイン」であるか確認を行いました。
次回の最終授業では、得られた分析結果からグループごとにプレゼンテーション作成、発表を行います。
分析機器を扱う際には使い方を理解して正確に操作することが、安全に実験を進めるために必要です。応用することで、未知の物質を取り出す、新しい発見につながることも???!
実験実習を通して様々な経験をし、興味?関心がさらに深まることを期待しています。