臨床栄養学実習b
臨床栄養学実習b
食生活科学科助手A.T
寒さもひとしお身にしみるころとなりました。
今回は健康栄養専攻3年生による「臨床栄養学実習b」をご紹介します。
この実習では、講義で学んだ臨床栄養学の知識をもとに治療食の献立作成?調理を行い、病気にかかったときのからだの状態に合わせた食事の実際について理解を深めます。
前回までの実習では、「エネルギーコントロール食」「たんぱく質コントロール食」「脂質コントロール食」の3食種の食品構成表をもとに、それぞれの食種で献立を作成しました。
今回は、そのうち「脂質コントロール食」を実際に調理しました。「脂質コントロール食」は、胆嚢?膵臓疾患の方を対象とするものです。
今回、栄養量の設定はエネルギー1600kcal、脂質20~25g、たんぱく質75gとしました。1食分としてこの1/3を満たす献立を60分以内に調理します。
脂質コントロール食は、脂質を制限するだけでなく、煮たり蒸したりすることで消化をよくすることもポイントです。エネルギーが不足しないように炭水化物を中心とするため、でんぷんや粉あめが多く用いられます。粉あめとはでんぷんを原料とした低甘味の補助食品です。たんぱく質やミネラルをほとんど含まないため、ヨーグルトや飲料に混ぜることでエネルギーを補給しやすくなります。
また栄養士として、提供する食事が患者さんの見本となるようにします。栄養量の基準内だからと脂質の多い食品(青魚や油揚げなど)や揚げ物を用いないなど調理法や食品は、患者さんが誤解しない使い方にします。
写真は学生が調理した献立です。
“治療食“と聞くと制限があっておいしくないというイメージがあるかもしれませんが、見た目も重視し、食欲を促すおいしい治療食を目指しています。
調理後は食品構成との関係、食事療法、調理のポイントなどを先生に説明して評価を受けます。
学生は「献立をたて、実際に作ってみると数字だけではわからないことがあって制限のある食事は難しかった」と話していました。
臨床栄養学実習で学んだことをさらなる学習へと繋げていってほしいと思います。