基礎栄養学実習
基礎栄養学実習
食生活科学科助手Y.K
今回は管理栄養士専攻2年生の「基礎栄養学実習」についてご紹介します。
この実習では、食品中に含まれる栄養素に焦点を当てた実験を通し、器具や試薬の使い方、ノートやレポートの書き方などの、実験を行う上での基本的な心構えについて学んでいきます。学生たちはこれまでに、でんぷんや脂質の消化実験などを行いました。
今回の実習内容は、「野菜ジュース中のカロテンの定量実験」です。
市販の野菜ジュースからβ-カロテン量を算出し、市販品に表示されているβ-カロテン量が正確なものかどうか検討します。
まず初めに、β-カロテン標準溶液を等倍希釈して、濃度の異なる標準溶液を作成します。作成した標準溶液は吸光光度計を用いて吸光度を計測し、検量線を作成します。
次に、試料の野菜ジュースからβ-カロテンを抽出します。
脂溶性のβ-カロテン量は有機溶媒に溶ける性質をもつためその性質を利用し、野菜ジュースからβ-カロテンをヘキサンで溶出させ、吸着クロマトグラフィーにて測定するという手法を用いました。
第1回の実験に比べて試薬や器具の扱いにも慣れてきて、学生が主体となって実習を進めていきます。
βカロテンを抽出できたら、次はいよいよ作成した検量線を用いて、試料溶液に含まれるβ-カロテン量を算出します。
グループで使用した野菜ジュースの表示値を比較します。実験結果はノートにまとめ、自分なりに考察していきます。実験を通して、学生たちは新たな知識を得たようです。
「基礎栄養学実習」では、他にもタンパク質の消化実験や、食品に含まれる核酸の分析などを行います。
グループごとに協力し合いながら実験を行い、実験の経験を通して栄養素の機能や性質、消化?吸収についてより知識と理解を深めてほしいと思います。