土屋結城先生の論文が雑誌The Wildeanに掲載されました
本学英文学科の土屋結城教授の英語論文がオスカー?ワイルド研究の学術誌The Wildean(The Oscar Wilde Society刊行)に掲載されました。本論文は英文学科が中心となり2021年11月に開催した公開講座「オスカー?ワイルドと本間久雄—メーソン?ライブラリーのデジタル化を記念して」において、本学図書館の本間久雄文庫所蔵コレクション「オスカー?ワイルド新聞雑誌切抜帖」に所収の資料に関して、土屋先生が行った研究成果の発表に基づくものとなります。
本学の英文学科で教鞭を執られた本間久雄博士が、今から1世紀近く前にイギリスの古書店で買い付けた、オスカー?ワイルドに関する新聞記事を集めたスクラップブック。ワイルド研究者のスチュアート?メーソンの所持していたその資料の中に、The London Illustrated Newsという新聞に掲載されたイグアノドンのイラストの切り抜きが含まれていました。ワイルドの同性愛行為を侮辱する目的で、ワイルドの恋人だったアルフレッド?ダグラス卿の父親?クイーンズベリー侯爵から送り付けられたこのイラストには、侯爵の直筆と思われる書き込みがされていました。土屋先生がクイーンズベリー侯爵の肉筆の解読を試みたことにより、このイラストは海外のワイルド研究者の注目を再び集め、現代風に彩色されて2023年1月に刊行された第62号の表紙を飾ることとなりました。
本間先生の学術的に貴重なコレクションをご所蔵下さっている本学図書館、公開講座の開催にあたり厚いご支援を下さった生涯学習センター、同時開催の展示に際してご尽力下さった香雪記念資料館、日野?渋谷の本学両キャンパスのスタッフの皆様のご協力の結晶として、本学所蔵のイグアノドンのイラストが英語圏のワイルド研究者に広く愛される運びとなりました。関係者の皆様、ご後援いただいた渋谷区教育委員会の皆様、また同時開催の展示の会期中に足をお運びいただいた学内外のみなさまに心より感謝を申し上げます。
イグアノドンのイラストが含まれる「メーソン?ライブラリー」は、現在オンラインで閲覧できるデジタル?ライブラリーとして公開中です。当時のイギリスの出版物を中心とした資料をぜひご鑑賞下さい。
また、土屋先生のワイルド研究の詳細につきましては、2021年度公開講座の開催報告をご覧ください。
土屋先生への、本論文に関するエピソードを含む教員インタビューも近日中に公開を予定しております。今年度も本学科Webサイトやブログでの情報発信にご注目いただけましたら幸いです。