竹内ゼミ 『生成 AI に関する調査(2023 年)利用実態?意識編』の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:『生成 AI に関する調査(2023 年)利用実態?意識編』の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 19 期生 竹島薫乃
近年、様々な場面で「ChatGPT」や「Gemini」というワードを見聞きするようになりました。私も大学の講義や日常生活などでこのような「生成 AI」を利用しています。要約したり、逆に詳しく理解を深めたり、スケジュール管理など利用方法は多岐にわたります。このように身近になってきた「生成 AI」が今どのように使われているのか利用実態が気になりました。
そこで今回は生成 AI の利用実態?意識についての調査を紹介します。私が紹介する調査は、マーケティング?リサーチ会社の株式会社クロス?マーケティングが実施した「生成 AI に関する調査(2023 年)利用実態?意識編」です。この調査は 2023 年 5 月 12 日(金)~ 15 日(月)に全国 20~69 歳の男女有職者 7,532 名を対象に、インターネットリサーチで行われたもので、特に紹介するページでは、生成 AI 認知者で、フルタイムで働いているホワイトカラー層 1,345 人に対し、利用実態や意識を確認、勤務先での生成 AI の導入状況や使い方、生成 AI のイメージ、仕事への影響度?不安度、利用意向などを分析されています。ここでは記載されている調査結果のうち、特に気になった部分を紹介します。
生成 AI の会社への導入状況と個人的な生成 AI の使い方に関する質問では、「会社全体や所属部署では導入しておらず、個人的にも使っていない」が 42% と最も多く、「会社全体で導入している」(11%)と「会社全体では導入していないが、導入している部署がある」(18%)を合わせ、会社で部署だけ導入しているところも含めると、29% が導入していると回答がありました。また「会社全体や所属部署では導入していないが、個人的には使っている」のは 28% でした。
また具体的な生成 AI の使い方については、「検索エンジンの代わりとして使っている」「純粋な趣味や楽しみのために使っている」「代わりに文章やコードやデザインを考えてもらうのに活用している」「アイデアや企画を考えるための話し相手として活用している」「何かを要約したり可視化するために活用している」が上位 5 つに入りました。
生成 AI へのイメージについては、「事実と偽情報が入り混じっている」「まだ精度が低いものである」「将来は日常の一部になっていくものである」「人間の思考を補完してくれる」「省人化につながる」などが上位 5 位であり、そのあとも比較的同様の選択率で項目が並び、イメージとしてはとびぬけた項目はなく、強い偏ったイメージはまだ持たれていないことがわかります。
生成 AI による自分の仕事への影響については、「やや影響がある」が 31% と最も多く、「とても影響がある」(11%)、「影響があると思う」(23%)、「やや影響があると思う」(31%)の合計の割合は 66% でした(図内の計算では 65% ですが、有効桁数の関係で実際には 66% のようです)。
生成 AI によって感じている将来への不安は「とても不安を感じる」(4%)、「不安を感じる」(10%)、「やや不安を感じる」(26%)を合計した不安を感じる人の合計が 40% となり、逆に「あまり不安を感じない」(18%)、「不安を感じない」(5%)、「全く不安を感じない」(7%)を合計した不安を感じない人の合計は 30% と、不安を感じる人の方が 10 ポイント多かったです。
また生成 AI の利用意向として、自身の仕事の中で生成 AI を利用したいかを 7 段階できいた質問では、「とても使いたい」(11%)、「使いたい」(17%)、「やや使いたい」(26%)で使いたいと考えている人の合計は 54% と半数を超えていました。
逆に「どちらともいえない」(31%)、「あまり使いたくない」(6%)、「使いたくない」(3%)、「全く使いたくない」(6%)の利用に肯定的ではない人に対し、どのようになれば生成 AI を使いたいと思うか」の質問では、「使い方をきちんと監視?監査できる仕組みが整ったら」(22%)、「事実と偽情報を峻別できるようになったら」(22%)、「データプライバシー?情報漏洩に関する規制ができたら」が 22% が同数での一番目になっていました。
調査結果の考察として生成 AI は、まだ導入初期段階ではあるものの、今後ますます普及していく可能性が高いことがわかりました。生成 AI は、仕事の効率化や創造性の向上などに役立つ一方で、倫理的な問題やデータの信頼性など課題も存在します。企業は、生成AIを効果的に活用するために、利用ルールや倫理的なガイドラインを策定することが重要だと感じました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
株式会社クロス?マーケティング
「生成 AI に関する調査(2023 年)利用実態?意識編」
https://www.cross-m.co.jp/report/it/20230608AI/
(最終確認日: 2024/08/20)