竹内ゼミ 『動画の倍速視聴に関する調査(2024年)』の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:『動画の倍速視聴に関する調査(2024年)』の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 19 期生 岩田莉緒
近年、動画やドラマを視聴するとき、映像の速度を変え、自分の好みの速度に上げる人が多くなっている印象です。実際に私も倍速視聴が習慣になっています。そこで倍速視聴についてどの年代が多いのか、その背景について興味を持ったため、関連する調査を調べました。
私が紹介する調査は、マーケティング?リサーチ会社の株式会社クロス?マーケティングが行った「動画の倍速視聴に関する調査(2024 年)」です。この調査は 2024 年 3 月 1 日(金)~3 日(日)に、クロス?マーケティングセルフ型アンケートツール(QiQUMO)を用いたインターネットリサーチで行われ、全国 20-69 歳の男女 1,100 名を対象に行われました。ここでは記載されている調査のうち、特に気になった部分を紹介します。
動画コンテンツの倍速視聴経験については、全体で「経験あり」と回答した人が 47.0% で、3 年前の 34% と比べ、12.6 ポイント増加していました。男女ともに 20~30 代の視聴経験率は 4 割~6 割と高いですが、50~60 代でも 3~4 割を占めています。つまり、倍速視聴する割合は増加しており、若年層だけではなく高年層にも浸透していることがわかりました。倍速で視聴している動画コンテンツは、「ドラマ」「バラエティ」「YouTuber の企画動画」が多くなっており、幅広いジャンルが倍速でよく視聴されていました。
倍速視聴をしている動画に対する意識については、「倍速で見るもの?見ないものを分けている」人が 16.6% と最も高く、「自分の好きな速度で見られるので、自由度が上がる」(16.2%)、「隙間時間を活用して効率よくたくさんの動画を視聴できる」(15.5%)というポジティブな意見と、「倍速だと印象が残りにくく、印象が残りにくく、内容を忘れやすそう」(16.5%)、「動きが早くて目や耳が疲れそう」(15.1%)、「テンポが早すぎて内容がよく理解できない」(14.6%)というネガティブな意見がありました。
特に女性 20 代?30 代は「隙間時間を活用して効率よくたくさんの動画を視聴できる」、男性 20 代では「倍速で見ないと時間を損した気になりそう」、「通常より短い時間のため、集中して視聴できる」が高い結果になっています。つまり、若い世代は時間効率を意識し、倍速視聴をしていることがわかります。
この調査結果から、動画の倍速視聴は若年層だけではなく高年層まで、幅広い年層で増加していることがわかりました。その背景として少しの隙間時間を有効に使いたいなどの時間効率を意識している人が増えていることがあげられ、近年、若者の間で「タイパ(タイムパフォーマンスの略)」という言葉があるように、若い人は時間に対して、充実度を求めていることがわかりました。今後、情報を逃さないように動画にテロップを表示するなど倍速視聴を意識した動画が増えると思いました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
株式会社クロス?マーケティング
「動画の倍速視聴に関する調査(2024 年)」
https://www.cross-m.co.jp/report/life/20240306baisoku/
(最終確認日:2024/04/21)