竹内ゼミ 「化粧品の EC 購入とセルフ AI 診断に関する調査」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「化粧品の EC 購入とセルフ AI 診断に関する調査」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 18 期生 阿部 瞳
足球现场直播,大发体育在线感染拡大により、消費者の生活様式や購買行動が変化しました。その影響を受けて、化粧品業界も EC 事業の強化を進めています。さらに、化粧品選びの新しい手法として AI が進出しています。スマートフォンで撮影した顔写真を AI が分析し、顔タイプや肌質、骨格などを診断して自分に似合うスキンケアやメイク方法を提案してくれるセルフ AI 診断サービスを多くの企業が導入しています。
そこで今回、私が紹介する調査は MMDLabo 株式会社が運営する MMD 研究所が実施、結果を公開されている「化粧品の EC 購入とセルフ AI 診断に関する調査」(出典は下記の参考文献を参照)です。本調査は 2023 年 4 月 17 日(金)—19 日(月)にかけて全国 47 都道府県の 15 歳—69 歳の男女 5,000 人を対象としたインターネットリサーチ調査です。ここでは記載されている調査のうち、特に気になった部分を紹介いたします。
男女 5,000 人のうち初めて利用する化粧品を EC で購入すると回答した 1,915 人を対象に、EC で購入する理由について項目別(スキンケア、ベースメイク、チーク、アイメイク、リップメイク、アイブロウ)に聞いた質問では、いずれの商品も「店舗よりも安く手に入るから」「時間を気にせず選べるから」「クチコミを確認したいから」が上位 3 位に入っていました。このことから、EC で化粧品を購入している人は、お得感と利便性を求めていることが分かりました。
また、同じ 1,915 人を対象に、購入失敗経験について聞いた質問では、「失敗した経験がある」と回答したのは全体で 77.5% でした。項目別で見るとベースメイクが 73.5% と最も多く、次いでリップメイクが 73.1% でした。この 2 項目の失敗した内容においては、「期待していた使用感ではなかった」、「自分の肌に合わない色を選んでしまった」、「自分の肌質に合わない色を選んでしまった」が上位 3 位に入っていました。
さらにセルフ AI 診断に関する質問で、何かしらのセルフ AI 診断の認知と利用意向に関する質問では、「利用したことがある」や「利用したことはないが、今後利用してみたい」「利用したことはないし、今後も利用したいと思わない」を合わせた認知している割合は 50.8% であり、利用経験(「利用したことがある」を選んだ人)の割合は 10.3% でした。認知者における「利用したことはないが、今後利用してみたい」と未認知者の「今後利用してみたい」を合わせた今後利用する意向を持っている人の割合は 51.3% でした。
最後に初めて利用する化粧品の購入においてセルフ AI 診断サービスを参考にすると回答した 245 人を対象に、セルフ AI 診断サービスでおすすめされた商品をその場で購入した経験について聞いた質問では、63.3% の人が「経験がある」と回答し、AI 診断を参考にして化粧品を選ぶ人は半数以上いることが分かりました。
本調査から、化粧品を EC で購入した際に失敗した経験がある人は約 8 割と多く、色や使用感が期待していたものではなかったというように、やはり実際にお店で質感や色味を試せない点は EC の弱みであると考えられます。
セルフ AI 診断のサービスにおいては、AI 診断についての認知度と実際に利用経験がある人の割合には大きく差が開いていました。しかし、「今後利用してみたい」と回答した人は 50% を超えるなど、AI 診断の需要は今後高まる可能性があると考えられます。そのため、さらに利用者の満足度向上に向けて、AI 技術研究に力を入れていく企業も増えていくのではないかと感じました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
MMDLabo 株式会社(2023)
「化粧品の EC 購入とセルフ AI 診断に関する調査」
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2212.html
(最終確認日:2023/11/11)