竹内ゼミ 「2023 年度『国内消費者意識?購買行動調査』」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「2023 年度『国内消費者意識?購買行動調査』」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 18 期生 伊藤 杏莉
アフターコロナにより、消費行動にどのような変化があったのか興味を持ちました。そこで、消費者の意識や行動の調査について調べました。今回紹介する調査は、デロイト トーマツグループが行った「2023 年度『国内消費者意識?購買行動調査』」(出典は下記の参考文献を参照)です。本調査は昨年度に引き続き行われており、 2023 年は、4 月下旬に全国の 20 歳-79 歳の男女 5,000 人を対象に、インターネットを利用したパネル調査で行われました。ここでは記載されている調査のうち、特に気になった部分を紹介します。
商品カテゴリー別に昨年の消費金額と比較したところ、「増えた」と「大幅に増えた」を合わせた項目の回答割合が高くなったカテゴリーは、8.7% から 12.8%(+4.1 ポイント)の「レストラン」と 7.1% から 12.4%(+5.3 ポイント)の「旅行」でした。一方、「フードデリバリー」「食料品」「日用品」「ラグジュアリー品」など価格高騰の懸念があるカテゴリーは減少傾向にありました。
また、今後消費を増やしたいものについて複数回答で尋ねた結果は、43.6% の人が「増やしたいものはない」と回答したものの、それに続いて「国内旅行(交通および宿泊)」 28.2%、「貯蓄/投資」 24.2%、「食料品(生鮮?飲料など)」 15.0%、「レストラン(外食)」 12.5%、「海外旅行(交通および宿泊)」 8.6% という結果になりました。
前述しました消費金額が「増えた」と「大幅に増えた」を合わせた項目の回答割合が高くなっていた「レストラン」や「旅行」に関する項目が上位となっていることが分かりました。
本調査から、「レストラン」「旅行」などの『ソト』向き消費は拡大傾向にあり、「フードデリバリー」「食料品」「日用品」「ラグジュアリー品」などの『ウチ』向き消費は縮小傾向にあることが分かりました。物価高が消費活動全般に抑制の影響をもたらす一方、『ソト』向き消費は外出に対する不安が薄れた反動で増えたと考えられます。今後、更なる『ソト』向き消費の増加が予想されますが、物価高がどれほど関係してくるのかが気になりました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
デロイト トーマツ グループ(2023)
「2023 年度『国内消費者意識?購買行動調査』」
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/consumer-business/articles/cp/consumer-behavior-survey.html
(最終確認日:2023/10/26)