竹内ゼミ 「新社会人に関する定点調査(2019)」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「新社会人に関する定点調査(2019)」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 16 期生 高橋 玲奈
私自身がこれから就職するにあたり、新社会人が就職先に対してどのような意識をもっているのか気になったため、今回、株式会社マクロミルが実査、公開されている本調査を紹介いたします。今回の調査は株式会社マクロミルの市場調査メディア HoNote で公開されてます。調査対象はマクロミルモニタ会員のうち、2019 年 4 月に新社会人となった全国 22-25 歳の会社員?公務員であり、就職して分かった実態や今後のキャリアに対する意識などについて調査を実施されています。調査方法はインターネットによるアンケート調査で、調査実施期間は 2019 年 5 月 5 日(日)-7 日(火)であり、調査サンプルは女性、男性ともに計 100 サンプルでした。以下ではこのマクロミル調べの結果を紹介します。
今回の調査の結果、第 1 希望への就職率は 56% で半数を超えていました。過去 12 年間の結果を見ると、最も高かった年は 2018 年 の 59% であり、減少したものの過去に次いで高い割合となりました。就職先に対する入社前のイメージとのギャップに対して「大きなギャップがあった」「ややギャップがあった」と答えた人の合計は 51% であり、2 人に 1 人はギャップを感じていました。51% という結果は、2017 年と並んで最も高い割合となりました。ギャップの内容として、「残業が多い」は 35% で 1 位、「給与が少ない」は 22% で 2 位、「希望する仕事が出来ない」が 20% で 3 位となりました。このことから、会社に入って感じるギャップのほとんどはネガティヴな要素でした。そもそも、ポジティブな要素はギャップとして捉えにくいのではないかと個人的には思いますが、制度の充実などからギャップの内容は時代と共に変化しているものの、入社前と入社後では就職先に対してイメージに変化があるのだと分かりました。
管理職以上の役職に就きたいと答えた人は社会人全体では 55% でした。男性が 77%、女性が 37% となり、男女共に昨年よりも減少していたことから、新社会人の管理職志望率は低くなっていました。女性の管理職志望率が低い理由として、責任を負いたくないということや、将来仕事と家庭の両立が難しくなってしまうこと、現在女性の管理職の割合が低いことで周りに相談できる人がいないなどの原因があげられるのではないかと思いました。
この調査結果から、個人的には第 1 希望への就職率が半数を超えることが印象的でした。しかし、第 1 希望の会社へ就職したにも関わらず、ギャップを感じている人も同じくらいいる人が分かりました。このことから、入社しないと分からないことも多いとは思いますが、社員さんと話す機会を複数回設けてもらうなどを行うことで、少しでも入社後のギャップを少なくすること、またはネガティブなギャップをポジティブなギャップに変えることが出来たら良いのではないかと思いました。また管理職以上の女性が増えれば、管理職を志望する女性の割合も自然と高まっていくのではないかと考えました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
株式会社マクロミル(2019)
新社会人に関する定点調査、市場メディア HoNote、
https://honote.macromill.com/report/20190530/
(最終確認日:2021/07/19)。