2018年5月(その1)
現代生活学科「フィールドリサーチa(環境?エネルギー)」紹介(その4)
「他国の状況から見た今後の日本の発電資源」
現代生活学科の1年生後期設置の「フィールドリサーチa(環境?エネルギー)」(菅野 元行 准教授担当)の続編です。
引き続き、2017年度履修生の内容の一部を紹介します。
上原さんは「プロジェクト演習a(環境?エネルギー)」で「他国の状況から見た今後の日本の発電資源」について調査?検討を行いました。
今回も一つの資料の内容を単になぞるような調査ではなく、
上原さんも複数の資料から比較検討を行っています。
東日本大震災前の日本の発電は、天然ガス火力、石炭火力、原子力でそれぞれが30%前後ずつ占めていました。
現在の日本では原子力は急減し、2014年度には原子力発電が0%であったことはあまり知られていません。
それでは、他の国ではどのような資源から発電しているのでしょうか。
上原さんが調査したところ、国によって発電資源が大幅に異なる場合があることが分かりました。
上原さんはさらに、発電資源の割合が国によってなぜ異なるのかについて検討しています。
まず、フランスでは原子力発電の割合がとても高くなっています。
この理由は現代生活学科1年生後期科目の「現代社会を読み解くd(科学技術と社会)」(担当:菅野元行准教授)で説明しています。
しかしながら、このように原子力発電の割合がとても多いフランスでも、
遠く離れた日本の東日本大震災による原発事故をきっかけに
徐々に原子力の割合を下げていくことが決まっています。
その代わりに再エネの割合を高めるようです。
イタリアではかつて原子力発電所がありましたが、チェルノブイリ原発事故の後、原子力を全廃しています。
しかしながら化石燃料の産出量は少なく、他国から輸入しているため、電気料金は高くなっています。
一方、水力発電は21%を占めており、その他の再エネの割合も高くなっています。
それでは、日本ではどうでしょうか。
日本は高度経済成長期までは電気の使用量は低かったため、国内で産出した石炭による火力と水力により電気の自給率が高い時代がありました。
しかし、その後は化石燃料は全面的に輸入に依存し、原子力の割合を高めることによって経済成長を支えてきた傾向が見られます。
原子力発電は、燃料のウランは輸入に依存していますが、それを国内の原発で電気を生み出しているため、純国産のエネルギーとして捉えられています。
東日本大震災後は原子力は急減し、現在は、天然ガスや石炭を主とした火力発電で日本の電気の8割以上を占めていることをご存知でしょうか?
豪雨や突風などの異常気象の原因として地球温暖化が挙げられており、その主因は化石燃料の過剰使用による二酸化炭素と考えられています。
それでは、今後の日本の電気は、何から作るのが良いのでしょうか。
現代生活学科の環境?エネルギー領域で、今後の日本の電力をどうすれば良いのか考えていきませんか?