2018年3月(その2)
現代生活学科「フィールドリサーチa(環境?エネルギー)」紹介(その2)
「福島県における電力の地産地消について」Part 1
現代生活学科の1年生後期設置の「フィールドリサーチ」は、
環境(エネルギー、自然環境の2種)、メディアの各領域の教員が担当しており、学生は志望に応じていずれかの科目を履修し、各領域のプロジェクト型学習により実践的に学ぶことができます。
2018年度入学生からは、「(環境?エネルギー領域の)フィールドリサーチ」は「フィールドリサーチa(環境?エネルギー)」となり、複数の「フィールドリサーチ」の科目が履修できるようになります。(以下、2018年度の科目名称で表記します)
2017年度の「フィールドリサーチa(環境?エネルギー)」(菅野 元行 准教授担当)の内容の一部を紹介します。
A.M.さん(ご本人のご希望によりイニシャルです)は「フィールドリサーチa(環境?エネルギー)」で「福島県における電力の地産地消について」について調査?検討を行いました。
A.M.さんはとても熱心に研究プロジェクトに取り組み、帰省を兼ねて(兼ねていないかもしれませんが)ご出身地の福島県の再エネ施設を実際に見学に行ったとのことです。
そのため、1年生とは思えないほどとても充実したプレゼン資料ができあがりました。
まず、「福島県における電力の地産地消について」という研究テーマを選んだきっかけです。
菅野准教授が担当する「現代社会を読み解くd(科学技術と社会)」では、再エネはもちろん、比較対象として化石燃料(石油、石炭、天然ガス)の特徴と用途について詳しく解説しています。
(原子力発電の基本も解説していますが、原発の詳細は「環境の化学と工学」で解説します)
さらに、ご出身地の福島県では原発事故がありましたが、その後の福島県のエネルギー事情や、エネルギーの地産地消について関心を持たれて研究を始めたとのことです。
実際に、福島県は原発の事故後に、再エネの地産地消に最も力を入れている県であり、国立研究開発法人の産業技術総合研究所(つくばを中心に日本各地に研究所があります)は、再生可能エネルギーに関する新技術を生み出し発信する拠点を目指して、福島再生可能エネルギー研究所(FREA)を設置しているほどです。
東日本大震災前は、大多数の日本人が「電力を選ぶ」「再エネを促進する」とは考えていませんでした。
しかし、震災直後の原発事故や計画停電により、「電力を自給する」「再エネを促進する」ことに目覚めたとも言えます。
しかし化石燃料に乏しい日本の自立型エネルギーとして、厳重管理が必要で小規模にできない原発や、化石燃料による火力発電は無理です。
そこで、地域自立エネルギーとして小規模分散型の再エネがフィットすることになります。
まさしく電力の地産地消です。
さらに、再エネ電力の地産地消は、燃料費が地域外に流出することなく、地域で資金が循環し、雇用も創出でき、地域の活性化に繋がりますので、主に都市圏以外ではすでにスタンダードになっています。(この辺りのことは「地域エネルギー論」という科目で学びます)
福島県では、2040年までに県内で必要なエネルギーを100%自然エネルギーで賄う目標を立てています。
今、実は国内外で企業ごとに必要な電力を100%自然エネルギーで賄う目標が立てられています。
このような企業は「RE100(Renewable Energy 100%:再生可能エネルギー100%)」というグループに参画していますが、皆さんが良くご存知のApple、GoogleなどもRE100に加盟しています。
すでに日本以外の事業所では90%以上を自然エネルギーで賄っている企業もあります。
A.M.さんは続いて、福島県内の再エネ事業の企業について調査?検討していますが、続きは改めて掲載したいと思います。
今後の日本の?世界のエネルギーはどうあるべきか、一緒に考えていきませんか。
意欲ある学生さんのご入学をお待ちしております!