2018年1月(その1)
現代生活学科の「地域エネルギー論」にて、木質バイオマス事業で活躍されている女性研究者による特別講演を行いました
11月には、現代生活学科の「地域エネルギー論」(2?3年生)(菅野准教授担当)にて、
木質バイオマス事業で活躍されている女性研究者による特別講演を行いました。
木質バイオマスによる地域熱供給のお仕事で、株式会社 WBエナジーと、バイオエナジー?リサーチ&インベストメント(BERI)株式会社にてコンサルタントと研究員を務められておられる北川弘美様に「地域エネルギー事業の実践 ~木質バイオマス熱利用~」についてご講演いただきました。
現代生活学科は、今後のビジネスの主流であるメディア、地域自立、環境が柱となっていますが、これらの三つの領域を学ぶことは、「メディアを活用しながら再生可能エネルギーによる地域自立」という未来社会の確立が最終目的です。
そのため、現代生活学科の環境領域は、自然や生物環境よりも(もちろん、これらも大切な環境問題ですが)、再生可能エネルギー利用による低炭素社会の確立に重心を置いています。
1年生前期設置の「環境科学概論」で地球の仕組みや、環境を取り巻く問題を学びます。
1年生後期設置の「現代社会を読み解くd(科学技術と社会)」では既存の化石燃料の特徴と、再生可能エネルギーのメリット?デメリットを学びます。
2?3年生前期設置の「生活ビジネスa(グリーンビジネス)」では環境負荷を減らすための政策や低炭素ビジネスを、「環境工学及び調査」では原子力発電の仕組みや問題点、リサイクルの仕組みなどを学びます。
そして、これらの科目の学習内容を受けて、2?3年生後期設置の「地域エネルギー論」では、地域自立に関わる再生可能エネルギー事業の確立方法や事例について学びます。
エネルギー問題は発電方法に注目が集まりがちですが、実は我々の生活では最終エネルギーのほぼ半分が熱利用となっています。
しかし、我が国では発電してから熱エネルギーに改めて変換する例が多く、エネルギーの損出にもつながっています。(ほぼ全量を輸入している化石燃料の利用は国費の流出にもつながります)
今回の北川様のご講演では、バイオマス利用の先進国であるドイツの事例を紹介いただきながら、実際にお仕事で関わられておられる木質バイオマスの地域熱供給事業の具体例を数多くご紹介いただきました。
バイオマスの熱利用のメリット、木質バイオマスを熱利用する方法、特に地域エネルギー事業の確立に至るまでの工夫や秘訣など、詳細にわたって分かりやすくお話しをお聞きすることができました。
ご講演の後、席が近くの学生同士で講演内容を振り返り、グループの代表者による質問を行いました。
(この方法は北川様のアイデアです。今後の環境?エネルギー領域の科目でも使用させていただきます。)
それぞれの学生からの質問に対して、北川様から詳しいご回答がいただけました。
【履修学生からの感想】
ご講演内容に関する感想が圧倒的でしたが、目に留まった感想を抜粋して記します。
?地域にある資源や環境を考えてどの再エネが最適であるかを考えることが大切、というお話がとても印象に残りました。
?グループごとに出した質問全てに丁寧に答えて下さったので、詳しく知ることができて良かったです。
?グループごとの質問は幅広くて、自分が思いつかなかった視点の質問が多く、それに対する北川さんのお答えでさらに学びが深まりました。
?私の地元の県で北川さんの会社のボイラーが導入されていると知り、地元が活性化していることは嬉しく思いました。
北川様にはお仕事でお忙しい中、高度な内容にも関わらず学生に分かりやすくご講演を行っていただき、深く感謝申し上げます。