2016年11月(その2)
現代生活学科の「地域エネルギー論」にて、木質バイオマス事業で活躍されている女性研究者による特別講演を行いました
11月には、現代生活学科の「地域エネルギー論」(2?3年生)(菅野准教授担当)にて、木質バイオマス事業で活躍されている女性研究者による特別講演を行いました。
木質バイオマスによる地域熱供給のお仕事で、株式会社 WBエナジーと、バイオエナジー?リサーチ&インベストメント(BERI)株式会社にてコンサルタントと研究員を務められておられる北川弘美様に「木質バイオマス熱利用による地域エネルギー事業の実践」についてご講演いただきました。
現代生活学科は、今後のビジネスの主流であるメディア、地域自立、環境が柱となっていますが、これらの三つの領域を学ぶことは、「メディアを活用しながら再生可能エネルギーによる地域自立」という未来社会の確立が最終目的です。
そのため、現代生活学科の環境領域は、自然や生物環境よりも(もちろん、これらも大切な環境問題ですが)、再生可能エネルギー利用による低炭素社会の確立に重心を置いています。
1年生前期設置の「環境科学概論」で地球の仕組みや、環境を取り巻く問題を学びます。
1年生後期設置の「現代社会を読み解くd(科学技術と社会)」では既存の化石燃料の特徴と、再生可能エネルギーのメリット?デメリットを学びます。
2?3年生前期設置の「生活ビジネスa(グリーンビジネス)」では環境負荷を減らすための政策や低炭素ビジネスを、「環境工学及び調査」では原子力発電の仕組みや問題点、リサイクルの仕組みなどを学びます。
そして、これらの科目の学習内容を受けて、2?3年生後期設置の「地域エネルギー論」では、地域自立に関わる再生可能エネルギー事業の確立方法や事例について学びます。
エネルギー問題は発電方法に注目が集まりがちですが、実は我々の生活では最終エネルギーのほぼ半分が熱利用となっています。
しかし、我が国では発電してから熱エネルギーに改めて変換する例が多く、エネルギーの損出にもつながっています。
(ほぼ全量を輸入している化石燃料の利用は国費の流出にもつながります)
今回の北川様のご講演では、バイオマス利用の先進国であるドイツやオーストリアの事例を紹介いただきながら、実際にお仕事で関わられておられる木質バイオマスの地域熱供給事業の具体例をご紹介いただきました。
バイオマスの熱利用のメリット、木質バイオマスを熱利用する方法、特に地域エネルギー事業の確立に至るまでの工夫や秘訣など、詳細にわたって分かりやすくお話しをお聞きすることができました。
履修学生は2?3年生で、これまでの環境?エネルギー領域の授業を理解できているため、北川様のご講演への集中力や理解度は高い様子でした。
実は2年生は1年生の時に別の科目で北川様のご講演を聴講していますが、2年生になって環境系授業を多数履修してきたこともあり、理解度がとても高くなったとの感想も寄せられました。
さらに、地域自立の領域のゼミに所属する学生も多く履修しており、地域自立の観点からバイオマスの熱利用の重要性を認識できたとの感想も多く寄せられました。
北川様にはお仕事でお忙しい中、高度な内容にも関わらず分かりやすくご講演していただき、誠にありがとうございました。