応用栄養学研究室の卒論研究
食生活科学科教員Y.O
5月に入ると例年、卒業論文についての相談に各研究室を訪問する3年生の姿が見られるようになります。
食物科学専攻の学生さんは必修科目、管理栄養士専攻と健康栄養専攻は選択という違いはありますが、皆さんちょっと緊張した面持ちで教室にやってきます。
「卒業論文のテーマについて希望を教えてください。」
とお話すると、キョトンとした顔をする学生さんがいます。
「テーマは教室ごとに決まっていて、それについて卒論研究をするものと思っていました。」
と。プリセットメニューから選ぶような感覚なのかもしれません。興味のあるテーマを各自で決めてそれをより深く知るのが卒論なので、おおよそでも良いのでその方向性は自分で見出すことが大事だと思っています。
「これまでの学修や学生生活の中で持った疑問について整理し、卒業後の活動に生かせる形で文章化し卒論にまとめてください。そのために力を貸します。」
とお話しするようにしています。ちょっとがっかりしてそのまま退室される学生さんもいるのですが、「自分で決める」トレーニングに参加してみようという学生さんもいます。
このようにして始まる応用栄養学研究室の卒論研究ですが、出来上がった論文は食に関係する広い分野にわたり力作ぞろいです。例を挙げてみましょう。
脂肪酸受容体遺伝子と脂肪味感受性との関連
母子の低栄養状態に配慮した妊娠期の栄養管理
妊婦の魚介類摂取に由来する水銀が胎児に及ぼす影響
腸内細菌叢に注目した2型糖尿病患者へのアプローチ
胆嚢癌を予防する食事パターンの疫学調査に基づく検討
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4年生の冬まで、長くて短い試行錯誤が続きます。