食品衛生学実験
食生活科学科助手A.S
立春を過ぎましたが、まだまだ寒い日が続きます。
今回は食品衛生学実験で行う実験の1つ、ATP拭き取り検査をご紹介します。
ATPとは、地球上のあらゆる生き物がエネルギーとして持っている物質で、菌などの微生物、肉、魚などの食べ物、人の汗などといった生き物を含む多くの有機物に含まれています。
ATPがたくさん残っているということは、食品製造の現場では食品残渣などの洗い残しや微生物増殖リスクがあることを意味します。
ATPは、ルシフェラーゼと反応することでAMPに変化します。
その際にエネルギーを放出して、光を発生させます。
これは蛍の発光の原理と同じです。
ATPの量が多ければ強く光り、発光量の数値も高くなります。
検査方法はとっても簡単です。
綿棒を少し大きくしたような検査キットで、調べたい部分を拭き取って機器にセットします。
測定時間は10秒程度で、汚れ具合が数値になって出てくるのでそれを覚えておきます。
次に同じ部分をアルコールで消毒し、再度検査キットで拭き取ります。
機器にセットすると、消毒する前より数値が半分以下に下がります。
学生がどんなところを調べていたかというと、ドアノブや床、水道の蛇口、共用のパソコン、自分の手やスマートフォンなど様々でした。
なかでも数値が高かった(=汚れていた)のは、ハンドソープボトルの押す部分や、自分の手でした。
自分の手を検査した学生は拭き取り前の数値の高さに驚いていましたが、手洗いとアルコール消毒でかなりきれいになったそうです。
スマートフォンの画面は、フィルムを貼っている影響もあり数値は低かったそうです。
画面より裏面のほうが汚いのでは?と班員同士で考察する場面もありました。
汚れを完全に防ぐことはできません。
大切なのは、目に見えない汚れを意識することだと思います。
手洗いは、足球现场直播,大发体育在线感染症だけではなく、胃腸炎などの予防にも有効です。
実習経験を活かして、調理前や外出先から帰った時など、正しい手洗いと消毒で感染症から自分や周りの人たちの身を守りましょう!