特集① LAPS図書館見学記 『日本赤十字看護大学図書館』
訪問館:日本赤十字看護大学図書館 広尾館
訪問日:2024年7月12日(金)夕方
訪問取材者:図書館スタッフ2名、学生2名(ららすた)
日本赤十字看護大学について
日本赤十字看護大学は、その名の通り、看護師?保健師?助産師の養成を目的とする医療系の大学です。今回訪問した広尾キャンパス(学生数1,200人)のほか、武蔵野キャンパスと大宮キャンパスの3拠点で、武蔵野キャンパスは実習等の拠点となっています。同図書館の所蔵は、図書約11万冊(うち洋書は1.5万冊)、雑誌約730誌(うち洋雑誌は約270)で、看護系単科大学としては有数の蔵書数を誇っており、当館では日野キャンパスの学科専攻者が近しさを覚える資料の揃った図書館と言えます。
訪問取材の当日は、館長はじめ図書館員の方々に加え、2人の学生スタッフ(TBC=図書館ビューティクラブ)にも取材に応じていただきました。同館のTBCは、利用者が図書館をより快適に、より利用しやすく過ごせるよう、学生ならではの目線から企画運営を行う有志の会で、当館の図書館学生スタッフ(ららすた)と非常に似たコンセプトで構成されており、当館から同行した2名のららすたメンバーも情報交換を兼ねた交流をさせていただくことができました。
なお当日は利用者が集中する時間帯に取材した関係で閲覧席側の写真撮影を控えました。
入館して
同館は校舎の地下1階にありますが、丘に面した建物のため窓からの眺めも採光も充分にあり、開放性を感じさせます。図書館入口手前には赤いカーペット敷きのラウンジがあります。机と椅子、図書の週末受け取り用のロッカー、自販機が備え付けられ、会話をしながらのグループ学習や飲食が可能となっています。ここは図書館の静寂性を保ち、かつ館内では難しかったラーニングコモンズ的施設の確保を兼ねて広く有効に活用されているそうです。
館内に入ると、学科の特徴上国家試験対策や実習の下調べを行う学生も多く静寂が保たれています。対応していただいた図書館員からはワンフロアのためゾーニングが難しく、唯一気楽に話せるのはグループ学習室のみであるとのことでした。この辺りをTBCの学生に伺うと、話せない空間であるが、窓から射し込む光と空のながめ、病院を望む風景を見ているのがよい気分転換になるといいます。一方で静かに友達と互いの気配を感じながら集中して一緒に勉強ができることが楽しく、また気分によって学習できる場所を使い分けたりしているとのことでした。
館内にて
図書館資料は、同館のアイデンティティである赤十字資料、関係雑誌、関係資料がエリアごとに配され、関係資料は日本十進分類法(NDC)と米国国立医学図書館分類表(NLMC)で分類されていました。学生選書ツアーの選書本、視聴覚資料、小児看護のための絵本、医療系や社会問題を題材とするマンガ等は別置されています。
書架を見ながら
日本看護界の草分けである川嶋みどり名誉教授にまつわる資料群の棚や、同窓会、日本赤十字社看護師同方会や保護者会からの多くの寄贈資料や書架などの調度品、スイス?スウェーデンの交換留学協定校との交流資料などに、学生は関係者からの手厚い支援と連帯を感じると共に、館内にさりげなく配置される赤十字の父アンリー?デュナンや近代看護の礎を築いたフローレンス?ナイチンゲールのポートレート、ソファーの間に鎮座する同窓会から贈られた大小の地球儀等は、国際性を背景に人道を礎として学ぶ上で自然にかつ大変な励みになっているとの印象を受けました。
最後に、TBCメンバー特典として、貸出期間が1週間長くなる、貸出冊数が倍になる、図書の週末限定の図書館のロッカー受け取り、選書ツアーに参加できない場合の学生WEB選書の参加権等、当館でも取り入れてみたい試みがたくさんあることも伺いました。
同行学生(ららすた)の感想
- 医療系の図書が充実しており、渋谷キャンパスの図書館とは異なる雰囲気を楽しむことができました。 静かな空間で集中したりくつろぎスペースで友人と話し合いながら勉強をしたり、様々な利用の仕方があることに魅力を感じました。 また、閲覧席の装飾や展示が素敵で、居心地の良さを感じました。(国文学科Gさん)
- 学生の皆さんともお話しできて、嬉しかったです!図書館の外にも学習スペースがあるのが素敵だなと思いました。(国文学科Hさん)
基本事項
日本赤十字看護大学図書館 広尾館
住 所:東京都渋谷区広尾4-1-3
開館時間:8:50-21:00(授業?試験?実習期間)、8:50-17:00(長期休暇期間)
※土日は学内者のみ利用可
アクセス:本学から徒歩圏内だが、バス利用時は「日赤医療センター」行