実践のお宝紹介 サロメとミュシャ
第4回目のお宝紹介では、2018年度中に購入した新収洋書資料をご紹介します。
1) ビアズリー以外の作家が描いたサロメ |
ロベル?リッシュの王女サロメは、ビアズリーの絵に見慣れるているせいかイメージが全く違う。サロメ(ヘロディアの娘)は1世紀頃の古代パレスチナに実在した女性なので、実際はこんな感じなのかもしれない。
さて、洗礼者ヨハネ(作中はヨカナーン)の首を求めるシーンと、その首にサロメが口づけするシーンの挿絵である。ロベル?リッシュのサロメは、サロメと言わなければ分からないかもしれないが、独特の世界観を醸し出している。
ロベル?リッシュが描いた銅版画の文学作品として、ボードレールの「パリの憂愁」「悪の華」、モーパッサンの「メゾン?テリエ」がある。
Salome? / Oscar Wilde ; vingt eaux-fortes originales grave? es par Lobel-Riche.
-- Devambez, 1930. -- 77 p., [103] leaves of plates : ill. ; 34 cm.
1B0135020 渋谷 B1 貴重書庫 828.8/W67Sa
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ビアズリーの挿画は、1975年に東出版から出版された『サロメ挿画集』を使用しました。
ミュシャの 「トリポリの姫君イルゼ」のチェコ語版
続いての新収資料はミュシャの資料である。
第58号(2017年7月)で、アルフォンス?ミュシャ展(日野キャンパス)の様子を報告した。展示資料に『トリポリの姫君イルゼ』のフランス語版を紹介したが、新たにそのチェコ語版を蔵書に加えることができた。
アルフォンス?ミュシャ(チェコ語発音ムハ※、1860-1939)は、オーストリア=ハンガリー帝国領モラヴィア(現チェコ)に生まれたアール?ヌーヴォーを代表する芸術家の一人である。
当時、フランスで国民的人気のあった舞台女優サラ?ベルナールが1895年に主演した舞台「遠方の姫君」で、大成功を収めたこの戯曲をロベール?ド?フレールが小説化した。
既に所蔵しているフランス語(1897年)の部数は252部に対し、チェコ語版(1901年)は200部、さらにドイツ語版(1901年)は800部であり、今回入手したチェコ語版は印刷部数も少なく貴重なものと言える。
チェコ語版
Ilse?a, Princezna Tripolisska? : s litografiemi A. Muchy / dle Roberta de Flers ; pr?eloz?il J.J. Benes?ovsky?-Vesely?, - V Praze : Bedr?ich Koc?i? , 1901, [5], 128, [4] p., [5] leaves of plates : col. ill. ; 31 cm
1B0134883 渋谷 B1貴重書庫 769.9437/M94I
フランス語版
Ilsée, Princesse de Tripoli / Robert de Flers ; lithographies de A. Mucha, - Paris : ?dition d'art, H Piazza , 1897, 128 p. : col. ill. ; 33 cm
1B0111825 渋谷 B1貴重書庫 769.9437/M94Il
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